インチキかもよ

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コロナのインチキが世界的にバレていく

2020年9月2日   田中 宇

米政府の上層部に近い権威ある新型コロナの専門家が匿名で、NYタイムスなど英米の大手マスコミに対し、米国(や世界)で行われている新型コロナのPCR検査が感度を過剰に上げて行われており、PCRで陽性になった人の9割がコロナに感染していない誤判定であることをリークし、報道させている。 (Up to 90 per cent of people diagnosed with coronavirus may not be carrying enough of it to infect anyone else, study finds as experts say tests are too sensitive

新型コロナは、ウイルスが咽頭に100万から1億個ぐらいの単位で付着していないと感染しない。ウイルスの発祥から何か月も経ち、世界に普遍的にウイルスが存在している状態なので、咽頭にウイルスが10個とか千個ぐらい付着するのはよくあることだが、この程度の数だと免疫力が落ちている人でも感染せずに終わる。PCR検査は、検査対象者の咽頭からぬぐいとった体液に含まれている遺伝子類を何回も増幅して増やし、検出しやすい状態にして染色するが、この増幅をやりすぎると、決して感染に至らないごく少数のウイルスの付着でも検知して陽性の結果を出してしまう。感染者だけを陽性者と判定するには、増幅回数を30回未満にするのが良い。だが、米国でのPCR検査の多くは37-40回の増幅をしている。1回の増幅で2倍になるので、25回の増幅で3300万倍になる。30回の増幅で10億倍、40回の増幅で1兆倍になる。30回と40回では千倍違う。25回と40回では3万倍違う。倍率を上げすぎると、ウイルスの遺伝子の破片だけの存在でも陽性反応が出る。 (Your Coronavirus Test Is Positive. Maybe It Shouldn’t Be

NY州の検査施設で行われたPCR検査では今年7月、794人が陽性になったが、これは40回の増幅の結果だった。同じ対象者に対し、増幅を35回にすると陽性者数が半分に減り、増幅を30回にすると陽性者の数は3割に減ってしまうことがわかった。またマサチューセッツ州の検査施設の計算によると、40回の増幅で陽性になった人の85-90%は、増幅を30回にすると陰性と判断される。米政府(CDC)は、米国内のPCR検査で何回の増幅をしているか発表していない。増幅回数は、検査キットのメーカーや各地の検査施設に任せているという。実際は、PCR検査の増幅回数が検査キットメーカーや検査施設によってバラバラなはずがない。CDCは、増幅しすぎなことがバレないよう、増幅回数を隠している。NYタイムスなどにリークした専門家は、米国での増幅回数を「37から40回」と明らかにしている。35回以上は過剰だとの指摘も載っている。米政府は、過剰に増幅することでコロナ陽性者の数を数倍から10倍に膨らませている。過大な増幅が「枯れすすき」を怪物に仕立てている。 (ただの風邪が覇権を転換するコロナ危機

米国だけでなく、日本の政府も、これまで一度もPCR検査の増幅回数を明らかにしていない。マスコミも問題にしない。世界は米国のやり方に準じることが多いので、日本など他の諸国、とくにコロナをことさら深刻な問題と誇張してきた先進諸国は、米国と同じ過剰な増幅回数だろう。先進諸国は、米国主導でPCR検査で過剰な増幅を行い、そのことを全く発表しないことで、統計上のコロナの感染者を何倍にも水増ししてきた。日本では徳島大学の大橋眞・名誉教授が以前から、ユーチューブでの発信で、PCR検査の増幅回数が明らかにされていないことを繰り返し指摘し、過剰な増幅で陽性者を水増ししているのでないかと疑ってきた。 (PCRは、悪用されると騒動になる) (無症状の人はウイルスを出すのか?

PCR検査の過剰な増幅と並んで、コロナ以外の持病などで死んだ人の死因をコロナにしてしまうインチキについても最近、米政府のCDCが認め始めている。CDCが発表したデータを、米元下院議員のロン・ポールの研究所が調べたところ、米国の統計上の「コロナによる死者」16万5千人のうち、コロナが主たる死因だった人は6%にあたる1万人にすぎなかった。残りの人々は他の重篤な持病をいくつも持っていて、平均すると一人あたり2.6個の持病を持っており、しかもほとんどがとても高齢の人々であり、加齢と持病による死だった。これまで現場の医師などの話を総合する形で、コロナの死者のほとんどは他の持病を持ったとても高齢な人々であり、コロナ死者統計の中でコロナが主たる死因の人はごくわずかだと言われてきたが、そのことを8月27日にCDCが統計として初めて発表した。 (CDC Bombshell: Only Six Percent Of 'Covid Deaths' From Only Covid!) (Conditions contributing to deaths involving coronavirus disease 2019 (COVID-19), by age group and state, United States.

このように、これまでマスコミ以外のオルタナティブメディアの人々が指摘してきたコロナ危機を誇張する手口について最近、米当局者自身が間接的に認めるようになっている。世界的に、もともと少数の発症すべき人が発症して獲得免疫を得て、残りの人類は自生の自然免疫によって新型コロナに感染しないかたちで、全人類が集団免疫をほぼ達成し、実際にはコロナの感染者がほとんどいない状態になっても、PCR検査で過剰な増幅を行い、病院に補助金を与えたりして死因をごまかせば、コロナの統計を何倍にも水増しし続けられる。実際の感染者がゼロになっても、感染者や重症者や死者がどんどん出ているかのような構図を維持し、危機を永続化できる。 (新型コロナ集団免疫再論

ワクチンが作られて全人類に強制的に接種されても、コロナ危機自体が実際の感染者の多寡と関係なく永続化される構図なので、統計上のコロナ感染者は減らず、このワクチンは効かない、次のワクチンが必要だという話になる。笑えない笑い話の状態が続く。 (There’s almost no chance a vaccine for COVID-19 will work at all, warns scientist) (French Professor says there is no second wave

だが最近、今回紹介したように、歪曲の構造を米当局自身が認め始め、コロナ危機のインチキが世界的にバレていく流れになっている。コロナ危機のインチキを米当局自身が間接的に認める流れは今後も続くと私は予測している。それがトランプと共和党を優勢にするからだ。米国では、民主党がコロナ危機の歪曲を真に受けて都市閉鎖やマスクの義務化を積極的にやる傾向が強い。民主党は「大きな政府」を好み、コロナ危機はそれに合致している。実際に米当局を握っているのは共和党のトランプであり、民主党だけがコロナ危機を誇張したがってもトランプの協力がなければ具現化しない。 (Bill De Blasio Says NYC Indoor Dining May Not Happen Until June 2021) (New Thinking on Covid Lockdowns: They’re Overly Blunt and Costly

世界的にコロナ危機を誇張して永続化させる策略を最初に考案したのは多分、トランプ以前に世界を支配していた米英の軍産複合体・諜報界だ。バイデンら民主党の中道派もそこに属している。軍産は以前から、世界を変えるパンデミックの話をしていた。軍産はトランプの敵だが、トランプはコロナ危機の誇張と長期化をいったん認め、今のような状況になってから、コロナ危機が誇張されたインチキであることがばれていく流れを誘発し、民主党と軍産を自滅させる策をとっている。トランプは、自分の傘下にあるCDCなどにコロナのインチキをやらせる一方で、共和党の草の根勢力に対しては、インチキなコロナ危機に負けずに乗り越えろと扇動している。 (WHO's Tedros Warns "No Country Can Just Pretend The Pandemic Is Over" As Trump Embraces 'Herd Immunity'

米国全体では、コロナ対策をインチキだと言って反対する市民運動がまだ強くない。欧州の方が強い。米国の市民運動民主党系の方が強く、民主党はすでに書いたようにコロナの歪曲を飲み込んでしまう方針だからだ。欧州では最近、ドイツや英国で、都市閉鎖が愚策であるとして反対し、マスク義務化もコロナを抑止する効果がないのにやっていると反対する市民運動が急拡大している。欧州の運動の主流は今のところ、コロナ自体をインチキと言わず、コロナを重篤な感染病として認めた上で、都市閉鎖やマスク義務化などの対策を愚策で間違っていると主張している。 (German Court Overturns Protest Ban) (Ron Paul On The "CDC Bombshell" - Only 6% Of 'COVID Deaths' From Only COVID

私の予想通りにトランプが今後さらにコロナ危機の歪曲構造を隠然と暴露していく策略を続けると、欧州のコロナに関する市民運動はコロナ自体のインチキ性に気づき始め、コロナの重篤性を真に受ける状態から脱し、コロナ自体の歪曲性を批判するようになる。欧州の反コロナの市民運動はいずれ米国にも飛び火していく。この変化が日本や韓国まで来るかどうかはわからない。マスコミは世界的に今後もコロナ危機を誇張し続けるので、これらの展開を知らないままの人も多くなる。 (More than 10,000 COVID conspiracy theorists gather in London

 

 



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ちいきさいせいは、かのうか?

  Enviro-News from Junko Edahiro


                      No. 2766 (2020.09.02)

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最近、環境・ESG投資などの分野で、「タクソノミー」という言葉が飛び交うようになってきました。「タクソノミー」(taxonomy)とは、「分類」「分類学」「分類法」という意味の英単語で、もともとは生物学における生物の分類法、分類学のことです。

環境やサステナブルファイナンスの分野で使われるようになってきた「タクソノミー」とは、EUが2019年6月に発表したレポート「Taxonomy Technical Report」が焦点となっています。

何を分類しているのか? 企業活動の何がサステナブルサステナブルでないかを分類しているのです! その分類によって、何がサステナブルファイナンスの対象になるのか、投資家の投資につながるものとつながらないものが区別されるようになります。これは日本企業にも大きな影響を与えることになるでしょう。

EUは従来から、環境分野でいち早くデファクトをつくることで世界をリードするとともに、自分たちの産業や経済政策を有利に進める動きをとってきています。今回のタクソノミーも、「金融市場全体をサステナブルにする」という大きな目的に向かって、その基準の基礎を構築しようとしているのだと考えています。

日本の企業にとっても環境・温暖化に関心のある方々にとっても、「絶対に押さえておくべき」タクソノミーですが、そのレポートは数百ページにも及び、これまでの動向の中に位置づけられる動きであるため、なかなか自力で読み解くのは骨が折れそうです。

そこで、来週9日(水)の異業種勉強会で、EUタクソノミーについて学び、自社に引きつけて考えることにしました。

ESG投資やサステナブルファイナンス関連等、政府の委員会で座長や委員を務められている、CSRデザイン環境投資顧問株式会社の代表取締役社長 堀江 隆一氏をお迎えし、EUで構築されつつあるサステナブルファイナンスやタクソノミーのしくみを解説いただくとともに日本企業への影響や課題、そして期待について、お話しいただきます。

異業種勉強会のメンバー企業・組織の方はもちろん、お試し参加もできますので、めったにない貴重な機会をぜひ活用してください! 参加者には当日のレポートと音声が届きますので、日程的にあわない!という方も安心してご参加下さい。

詳細とお申し込みはこちらからどうぞ。
第62回 コロナ禍に考える、経済と環境の両立の実現~EUタクソノミーから学び、日本企業のチャンスにつなげるには(2020年9月9日(水)開催)
https://www.es-inc.jp/network/forum/2020/nwk_id010634.html


さて、2020年10月に発行される予定の、姫路ロータリークラブ70周年記念誌企画「持続可能な未来のデザイン」に寄稿させていただきました。その内容を特別に許可をいただき、ご紹介させていただきます。

~~~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~~
「持続可能な未来のデザイン」

●東京vs地方

1年ちょっと前に、こんなことを書きました。Facebookで非常に多くの「シェア」「いいね!」がついて、自分でもびっくりしました。書いたのは、コロナ状況下になるよりも、はるか以前でした。しかし、コロナ状況下の今、基本的なメッセージはますます重要になってきていると思っています。

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「就職を考える○○さんへ」
○○さんへ。お便り拝見。もう就職を考える年齢なのですね!

自分は地元に残りたいのに、ご両親が「田舎には将来がないから、都会に出て行って就職しろ」と譲らないとのこと、東京と地方の両方で活動している私はどう思うか? とのご質問ですね。

私はねえ、「未来は地域にしかない」と思っているんですよ。心から。

今は東京も元気ですよ。五輪までは建設業もサービス業も好況で、人手不足がハンパない。地方から見たら「東京は潤っているなー、あそこに行けば将来も安泰だろう」と思えるのでしょうね。

でもね、東京都も2030年には人口が減り始める。45年には東京都民の3割が高齢者です。東京の高齢化の急激さは地方の比じゃないですよ。これまで地方から東京に移住した大量の若者たちも高齢化していきます。

11年から40年の間に65歳以上の高齢者がどのくらい増加するかを調べてみると、高齢化率の高い秋田県高知県ではたったの千人であるのに対して、東京都では128万3千人も増えて、40年には400万人になります。130万人近くもの増加にどう対応していくのでしょう?

そして、東京都の生産年齢人口は11年から16年の間に約2万3千人減っている。つまり、東京都は「人口は増えているが、生産年齢人口は減少し、高齢者が急増する」という状況なのです。

しかも、これまではビジネスや働く人のためのまちづくりをしてきましたからね、医療機関介護施設も足りないし、在宅サービスも整っていない。近隣や地域の支援もあてにできません。

今後、大都市部では、医療や介護といった社会保障費が増大し、高齢者も暮らしやすい町に転換するコストも莫大にかかるでしょう労働人口が減れば、税収も減るかもしれない。すると、大都市部に住み続ける人は、負担増とサービス低下に直面? それを嫌って、地方への移住者や移転企業が増えれば、残る人の負担はますます大きくなります。最悪の場合、かつて同様の状況下で100万人規模で人が出て行ったニューヨーク市のように、大量の東京脱出が始まるかも?

不確実で不安定なこの時代に幸せな人生を送るためには、何があってもつぶれずにしなやかに立ち直れる力(レジリエンスといいます)が大事。去年9月に全道ブラックアウトが起こったとき、私はたまたま北海道の下川町という小さな町にいました。

町の人々は声を掛け合って安否を確認し、ガス炊飯器のあるおうちが炊き出しをして、オール電化で途方に暮れている人たちに配っていました。いただいたおにぎりを頬張りながら、被災するんだったら大東京ではなく、地方の町がいい! と思いましたよ。平時だって、地方なら家庭菜園や田んぼを借りて、自分たちの食べ物を作れる。助け合えるご近所さんもいる。これがこれからの幸せの鍵じゃないかなあ?

ご両親の助言はこの40年間の経験からのものでしょう。でも、あなたが生きていく次の40年間は、これまでとは大きく違うものになる。「どういう時代に生きていくのか」をしっかり考えてね。がんばってね! 

―――――――――――――――――――――

コロナ状況下で、オンライン化が急速に進展しています。テレワークを筆頭に、オンライン教育、オンライン医療、なんでもオンライン! という状況です。オンライン化は、「距離」という地方のハンディを消してくれます。私も最近、オンラインセミナーをよく開催します。東京開催のセミナーでは参加が難しかった、地方の方がたくさん参加され、「オンラインのおかげで、どこかまで出て行かなくても、セミナーに参加できてありがたい」と言われます。

●地元経済を創りなおす

しかし、多くの若者がいまだに東京に行くのは、「仕事があるから」と言います。それぞれの地域は、東京への若者の流出に手をこまねいているのではなく、「東京に行かなくても、ここに仕事がある」「経済的な心配をせずに、東京よりもずっと素敵な暮らしができる」地域にしていかなくてはなりません。

では、どうしたらよいのでしょうか? 『地元経済を創りなおす』(岩波新書)を書いたのは、その問いに答えるためでした。そのエッセンスをお伝えしましょう。

地元経済を「バケツ」だと考えてみてください。残念ながら、そのバケツに穴がたくさん空いていたら? 水を入れても入れても、「漏れ穴」から流れ出てしまいます。同じように、地域にお金が入っても、その大部分が出て行ってしまっているとしたら、漏れ穴だらけの地元経済だということになります。

まちの人や事業者が地元で買い物や購入をしなければ、そのお金は域外に出ていくことになります。残念ながら、日本中のどの地域も「漏れ穴」だらけの経済になってしまっています。

バケツが「漏れバケツ」になっているとしたら、どうしたらよいのでしょうか? もちろん「漏れ穴」をふさぐこと! 「漏れ穴」をふさげば、残る水の量は増えます。そうしたら、そんなにがんばって水を注ぎ込まなくても済むかもしれません。

地元経済も同じです。これまでは、「どうやって地域にお金を持ってくるか」ばかりに目が向いていて、「どうしたら地域から出ていくお金を減らせるのか」は、あまり考えられてきませんでした。でも、実は「地域からのお金の流出を減らす」こと、つまり、「一度地域に入ったお金を、どれだけ地域内で循環して長くとどまるようにさせるか」がとても大切なのです。

その重要性を見るために、具体的に計算をしてみましょう。A町は、みんな隣町にあるショッピングセンターやインターネット通販などで買い物をすることが多く、使うお金の20%しか地元に残らない町だとしましょう。この町に1万円のお金が入ったとき、残るのは20%の2,000円です。それを受け取った人・事業者も、その20%を地元で使いますから、400円が残る。こうして計算を繰り返すと、当初の1万円が町全体には1万2500円ほどの価値を生み出す計算となります。

かたやB町は、みんなが「地元経済を買い支えよう!」と思っています。できるだけ地元で購入・調達しようとしますから、使ったお金の80%が地元に残るとしましょう。一巡目には1万円の80%、8,000円が残ります。二巡目にはその80%、6,400円が残ります。三巡目にはまたその80%が残るから……と、計算していくと、最初に外部から入った1万円が最終的に生み出す価値は、約5万円になるのです! このシンプルな計算から、「いったん地域に入ったお金をできるだけ地域の中で回していくこと」が、いかに大事なことなのかがわかります。

地元経済が外部に依存している割合を下げることは、地域のレジリエンス(しなやかな強さ)につながります。外部に翻弄されない強さが生まれ、自分たちの足で立つことができるようになるからです。そうしてはじめて、ある程度自立した地域同士が相互に交換・交流するという、安全・安心な豊かさを創り出すことができるのではないでしょうか。

今世界では、「ローカル・インベストメント」が大きな潮流となりつつあります。買い物だけではなく、投資も「ローカル」という動きです。地域の住民が自分たちのお金を地元の経済に投資すれば、利子やリターンを得ながら、自分の地域の経済を元気づけることができるのです。

「地元の農作物を地元で食べよう」という地産地消と同じような考えで、「地元のお金を地元に投資をしよう!」という取り組みです。地域の住民が地元の小規模ビジネスに投資することで、自分たちの生活に必要な店舗や企業を支援するという、市民の手による新しい資本主義の形ともいえます。

域外や海外で事業をしている企業の株式や社債を買ったり、域外に投融資をする銀行や郵便局に預金したりするのとは違って、地元に投資したお金は地元経済にとどまります。投資の資金を地域から流出させない、地元経済の「漏れ穴」をふさぐ取り組みでもあるのです。

●コロナ状況下で始まっている新しいライフスタイル、価値観

コロナの状況下で、地域であれ、企業であれ、個人であれ、大変な状況の中にいると思います。最初は、これは過ぎ去るものだと思っていましたが、そうではないということが、だんだん明らかになってきています。「コロナ危機をどう位置付けるか」――これが常態からの一時的なずれなのだ、いつかは元に戻るだろうと考える人も多々います。すると、「今の大変な状況をどうしのぐか」が重要事項となります。

一方で、「新しいあり方へのシフトの原動力」として、この危機を捉えている人もいます。すると、「そこから何を学び、何を変えていくか」が重要になってきます。
今回のコロナ下の状況下で、とくに意識の高い人々は「そこから学び、変えていく」ことを実践し始めています。先日、そのとを明らかにするための2つのアンケート調査を実施しました。その結果の一部をお伝えしましょう。

調査はほぼ同じ内容の2つの調査を同時並行的にインターネットで行いました。一つは調査会社に委託して、全国の約500人を対象に、年代、性別、住んでいる場所を日本人口比に合わせて行ったものです。「一般」の方々の意識調査となります。もう一つは、自分の環境メールニュースやフェイスブックなどで呼びかけて実施したもので、こちらは環境問題などへの関心が高い「高関心層」への意識調査となります。

1問目は「ご家庭の食料の入手方法がコロナの状況下で変わったかどうか」というものです。

「一般」では、「変わった」が7%、「やや変わった」が27%、あわせて35%程度でした。それに対して、「高関心層」では15%が「変わった」、35%が「やや変わった」ということで、半数程度が「変わった」と回答しています。「一般」と「高関心層」はかなり傾向が違うということがわかります。ではどんな「違い」だったのか、自由回答の記述を分析してみました。

一緒に使われていることが多い語のパターンを抽出する「共起ネットワーク分析」という分析方法を用いたところ、「食料の入手方法の変化」に関する自由記述で、「一般」では、「近所で買う」「短時間で買う」「ネットスーパー」「生協」「まとめ買い」「冷凍食品」などが浮かび上がったのに対し、「高関心層」では、「生産者応援」「コロナ支援」「産地から取り寄せ」「地元の野菜を購入」というように、「地元」「支援型」の食料入手方法への変化が出てきました。

「コロナの状況下で、新たに始めたことや以前より時間を使うようになったことはありますか? それは何ですか?」という問いに対して、「一般」では、「消毒」「手洗い」「マスク」といったような衛生関連のことがかなり出ました。

面白いことに、「高関心層」では、「マスク」は出てきましたが、「消毒」「手洗い」という回答はほとんどなく、「コミュニケーションを丁寧にとる」「地域との対話」といったコミュニケーション系、ボランティアやオンラインセミナーへの参加、講座やイベントといった将来のために時間を使っているといった結果でした。これほど大きく違うものなのか、と分析をした自分たちもびっくりしました。

最後に、「コロナの状況下で、幸福度に変化がありましたか?」という設問に対して、「一般」では14%が上がったとの回答でしたが、「高関心層」ではなんと44%が上がったと回答、大きな差がありました。 

その理由について、「一般」では、「時間が増えた」といったもののほかに、「経済的に安定」「金銭面で困っていないから幸せ」という回答パターンがありました。一方、「高関心層」では、「大切さを感じる」「当たり前に感謝する」というものや、「新しい活動を始めた」という回答パターンがありました。幸福度が上がった人が多いだけでなく、その理由もかなり違うことがわかります。

今回の調査結果から、「一般」と「高関心層」は「自由回答」の内容の質が大きく異なるということがわかりました。「高関心層」はコロナの状況下で起こる事象をそれぞれのチャンスとして前向きに捉えていることがうかがえます。

●ウィズコロナの時代、ロータリークラブの役割

アンケート結果が示すように、人々の価値観に変化が生じていること、特に高関心層が変化を前向きにとらえていることは、ロータリークラブが果たす役割が、とても重要になることを示唆しています。職業を通じて社会に奉仕することを目指し、そのために自己研鑽を積むというロータリークラブは、メンバーのひとりひとりが、「コロナの状況から何を学び、何を変えていくか」を考え抜くとともに、その考えを発信することができます。

そのとき、SDGs(国連持続可能な開発目標)という枠組みが非常に役立ちます。この17の目標は、「2030年までにめざすべきもの」として2015年に定められたものですが、先進国も途上国も参加し、政府や企業、NGOなどマルチステークホルダーで作り上げたもので、普遍的に求められる「新しい価値観やライフスタイル」を示唆するものとしても大いに参考になるからです。

SDGsへの取り組みは、バッジをつけたり、ウェブサイトや名刺にロゴを貼り付けることではありません。SDGsへの取り組みとは、まず、それぞれの目標の「あるべき姿」を描くこと。そして、目標自体も、それを取り巻くさまざまな要因や影響も、すべてつながっていることを理解すること。そのうえで、自分たちがどこにどう関わることで、何をどう変えていきたいか、「変化の理論」をつくること。そうして、具体的な行動を起こし、その結果や影響を振り返りつつ、PDCAを回し、継続的に取り組み自体を改善していくことです。

ロータリークラブは、自らがその模範となることで、周囲や社会を巻き込み、「コロナの先の未来」を創り出すという大事なお手伝いができるのではないでしょうか。


あんぽはきは、ほんとにあるのか?

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安倍辞任の背景にトランプの日米安保破棄?

2020年8月28日   田中 宇

8月28日、安倍首相が辞意を表明した。持病の悪化が理由だという。たしかに安倍は最近、何度も検査のために病院に行っている。しかし、安倍は検査後も、話したり歩いたりできているわけで、急に首相としての任務がこなせなくなったわけではない。安保面の日米関係が、安倍とトランプの個人的な関係に依存してきたことを考えると、安倍が辞めてしまうのは日本の安全保障にとってまずいことだ。安倍以外に、気難しいトランプと親密な関係を持っている政治家は日本にいない。日米安保の円滑な維持を考えると、安倍は病気を悪化させないようにしつつ続投するのが筋だ。対米従属派の全体がそう思っているはずだ。 (従属先を軍産からトランプに替えた日本

しかし、もしトランプが日本と安倍に対する態度を変えており、安倍とトランプの関係が終わりになっているとか、トランプが安倍に在日米軍の撤退や日米安保の破棄を言ってきたなら、話は別だ。最近の記事に書いたように、11月の米大統領選挙は、マスコミのバイデン優勢の報道と裏腹に、トランプが再選される可能性が高い。2期目のトランプは、日本や韓国からの駐留米軍の撤退を具現化していきそうだ。すでにトランプは安倍に対して冷淡になっている可能性がある。日本側が米軍を引き留めようとすると、トランプに意地悪される。トランプは筋金入りの覇権放棄屋・隠れ多極主義者なので、トランプを翻身させる日韓からの米軍撤退をやめさせるのは不可能だ。 (米大統領選挙戦を読み解く

安倍は、今後の米軍撤退を引き留めようとしてトランプから意地悪されて人気を下げるより、その前の今のタイミングで辞めることにしたのでないか。病気を理由に辞める話を作ることにして、何度も病院に検査に行き、何時間も病院に滞在して病気の演技をしたのでないかという感じもする。 (加速するトランプの世界撤兵

トランプ以前は、米国の覇権と安保の戦略を軍産複合体(諜報界)が牛耳っていた。日本の外務省は軍産の手下であり、米軍産と日本外務省との組織的な関係によって日米関係・日本の対米従属が維持されていた。トランプは、軍産に喧嘩を売って就任し、ロシアゲートなど軍産からの攻撃を跳ね返して逆におおむね軍産を退治して今に至っている。2016年のトランプ当選後、日本外務省は米国の新たな権力中枢と親密にできるルートを喪失した。外務省が呆然としているところに安倍が訪米し、個人的にトランプに会って親分子分の契りを結んでしまい、外務省や軍産を経由しない日米の同盟関係を作った。それ以来、日本で米国の権力中枢つまりトランプと最もつながっているのは安倍である。安倍以外の政治家は、トランプとの強い関係を持っていない。安倍はトランプとの関係性をテコに、日本で独裁的な権力を維持してきた。 (世界と日本を変えるトランプ) (ロシアゲートで軍産に反撃するトランプ共和党

安倍の今回の突然の辞任は、トランプと安倍の関係、もしくは日米の安保関係が終わりになったのでないかという疑念を抱かせる。安倍は、トランプに何らかの形で日本との関係を切ったので辞めるのでないか。そうでなければ辞める必要などない。従来の日本にとって最重要なことは、米国との同盟関係だ。病気がちでも、トランプからの電話を受けられれば首相をつとめられる。 (Pentagon Gives Trump Options For Cutting Troop Levels In South Korea

トランプは、世界からの撤兵を加速している。ドイツ駐留数を大幅に減らし、アフガニスタンイラクからの撤兵も進めている。「これらはトランプが勝手に言っているだけで、国防総省は実際の駐留の減員をやっていない」という指摘がある。そうかもしれない。それでも事態は大して変わらない。実際の駐留米軍数でなく、トランプが各国からの米軍撤兵を言い続けていることが、米国の覇権を低下させ、同盟諸国が安保面で米国と米軍に頼らなくなり、撤兵したのと同じ効果を持ち、最終的な撤兵へとつながる。 (US Troops Withdraw From Major Iraqi Base) (Trump Confirms 4,000 US Troops To Withdraw From Afghanistan By November Vote

日本と韓国について、トランプは従来、いつか撤兵したいと言うだけで、実際の撤兵計画まで至っていなかった。もしかするとトランプは今後、11月3日の米大統領選挙の投票日までに、日韓からの具体的な撤兵計画を言い出すかもしれない。世界からの撤兵を主張した方が有権者の受けがいいからだ。いまだに軍産に絡め取られている民主党のバイデン陣営も、実際の撤兵を言わないまま、戦争はもうしないと言っている。そう言った方が人気が出るからだ。 (Trump And Democrats Both Promise End To ‘Forever Wars’

トランプが選挙対策として9-10月に日韓からの撤兵を従来より強く言い出すつもりなら、それより前の8月末の今のタイミングで安倍が辞任を表明するのは合点がいく。しかし、トランプがそこまで言うかどうかはわからない。トランプはすでに在韓米軍の減員について検討している。 (Okinawa: Will The Pandemic Transform US Military Bases?) (Pentagon considers 'adjustments' to US troop levels in S Korea

日米の安保関係は、今年6月に安倍政権が米国から買った地上イージスのミサイル防衛システムを途中でやめることにしたあたりから、ぎくしゃくしている。7月には、在日米軍新型コロナウイルスへの対策が不十分だと日本政府が苦情を表明し、日米の安保関係がさらに齟齬をきたしている。これらは、トランプが日本から米軍を撤退しようとしていることに対する日本側からの不満の表明なのかもしれない。トランプは軍産を退治した筋金入りの覇権放棄屋なので、不満を表明されても米軍を撤退していくし、不満を表明する奴には倍返しで意地悪する。 (Japan: US military coronavirus policy has multiple problems) (トランプ、安倍、金正恩:関係性の転換

日本が米国の言うことを聞きたくなくなっているもうひとつの分野は、コロナ対策としての自粛・経済停止を米国から強要され続けていることだ。日本は、世界的に見ても新型コロナに感染発症しにくい国民であり、すでに集団免疫にも達しており、米国から強要される経済停止策など必要ない。スウェーデン式の方が良い。米国から無意味な経済停止を強要され続けるほど、日本経済の自滅がひどくなり、すでに経済を成長の状態に戻している中国にどんどん抜かれていく。日本はコロナ対策の面でも、そろそろ対米従属をやめねばならない。 (米中逆転を意図的に早めるコロナ危機

今後、後任首相の選定になるが、対米従属の色合いが強い人が次期首相になると、トランプからのいじめがひどくなり、短命に終わるか、対米従属からの離脱を余儀なくされていく。安倍は従来、米国との関係を維持しつつ中国との関係を強化してきた。トランプの米国が安保面で日本を見捨てる傾向を加速しそうな今後、日本側は、米国との関係を軽視して中国との関係を強化する親中国派を次期首相にする可能性もある。この場合、トランプが望む在日米軍の撤退に、日本はそれほど反対せずに事態が進む。 (Trump Has Damaged the U.S.-Japan-South Korea Alliance—And China Loves It

今後注目すべき点は、安倍がやめた理由が、トランプの日本に対する態度が変わったからなのかどうか、トランプの言動からうかがえるかもしれないことだ。安倍の辞任が、トランプの覇権転換策と全く関係ないとは考えにくい。だが、その確たる証拠もないのが現状だ。

 

 



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なすりえの、め

奈須りえのメルマガ 目からうろこ

第55号 リニアの地下トンネルが放射性廃棄物の捨て場になる可能性

このメールにそのまま返信すると奈須りえに届きます。
ぜひ、ご意見、ご感想、気になること、お送りください。

何度もズームの会議をしていますが、
どうしてもよそよそしくなるのは、
目が合わないからだと思います。

そうなのです!

目を合わせるには、カメラを見なければ
ばならず、話し相手をみると目が合わない。

いま、大田区議会で、試験的にラインワークス
というアプリを使って会議をしたり、連絡をした
りしていますが、ICT技術はあくまで道具で、
議論は顔を合わせて行うべきだとあらためて
感じています。

ICT化は良いことだと言う前提で、議会のICTを進めて
きましたが、議論すること、考えることまで、
効率化されないよう、注意しなければなりません。

一緒に、注目していただけると嬉しいです。

そう言えば、文部科学省の平成30年6月22日の
メルマガのコラムにこんな一節がありました。

「AIの本質はアルゴリズムであり、少なくとも
現在のAIは情報の意味を理解している訳ではありません。」

https://www.mext.go.jp/magazine/backnumber/1406368.htm

AIにまかせることは、AIのプログラミングをしている
「誰かに」決定権をゆだねてしまうことで、そこに
万能の神が宿っているわけではありません。

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第55号 リニアの地下トンネルが放射性廃棄物の捨て場になる可能性

リニアの大深度地下使用について、審査請求をしています。
国交大臣への反論を書いていたら、トンネルが放射性廃棄物
捨て場になる可能性があることに気づきました。

大深度地下法ができた時、大深度地下放射性廃棄物
廃棄場所にするのではないか、という質問に、廃棄場所
にはできないと答弁していたのですが、その後、
対象となる法律を変えていたのです。

大井川の水の問題に加え、コロナで需要も落ち込み、
リニアの開業が遅れると言った報道もありますが、
放射性廃棄物処理場の可能性に気づき、手放しでは喜べません。

ふなせの、5Gそしは、なるか

楽天撤退>
東村山市基地局問題
住民が楽天を撤退させる―
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東京都東村山市廻田に楽天が予定していた5G基地局設置計画が、住民の反対で中止に追い込まれた。
住民らは、今月4日に公民館で電磁波問題についての学習会を開催。
その後、基地局設置予定地を中心とするエリアで署名活動を展開した。
約100筆の署名を集めて、楽天に提出したところ、楽天は計画を断念した。

5Gの時代へ向けて、電話各社はあちこちで基地局設置を進めている。
それに伴いトラブルも多発している。
電話会社の言い分は共通していて、自分たちは総務省の電波防護指針を守ってビジネスを展開するので
電磁波による人体影響は心配ないという無責任なものである。

しかし、総務省の電波防護指針は、1989年に決められたもので、それ以前の古い研究データに基づいた
ものである。その後の研究成果はまったく反映されていない。
そのために、遺伝子毒性などの「非熱作業」を考慮に入れない危険な値のレベルだ。

ちなみに欧州評議会の勧告値が、0.1μW/cmであるのに対して、
総務省の基準値はその1万倍も緩い1000μW/cmとなっている。

◆5G 反対同盟 公式HP
http://reside-ex.com/Lbe1634/27561

┌───┐
│ご案内│
└───┘

台所から電磁波対策!
IHクッキングヒーターからスーパーラジエントヒーターへ

<開催日程>
2020年9月9日(水)
11:00開場~12:30
ハンバーグ調理実習

持ち物はいりません。
筆記用具とメモ帳をご用意ください。

<会場>
ビューティーラボ 赤坂(東京)
〒107-0051
東京都港区元赤坂1-4-21 赤坂パレスビル2F
ケア・サロン リン・グレイス内

◆スーパーラジエントヒーターお料理実演会
http://reside-ex.com/Lbe1634/37561

たなかあきら、おもしろい

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新型コロナ集団免疫再論

2020年8月24日   田中 宇

他の世界から隔絶している南半球のニュージーランドとオーストラリアで、新型コロナウイルスの拡大が問題になっている。両国は、コロナが世界に拡散した今春以降、外国からの人の入国を厳しく制限しており、外国からのコロナの流入を防ぐ水際作戦が成功していると思われていた。とくにNZは8月初めまでの3か月間以上、新たなPCR陽性者が皆無だった。この間、外国からの帰国者・入国者は全員14日間の検疫を義務づけられ、外国からのウイルス流入はないはずだった。 (Three cases under investigation- what we know about NZ's current cases

102日ぶりのNZの今回の陽性者の再出現の流れの一つは、冷蔵倉庫会社(アメリコールド)の従業員から始まっており、この会社が外国から輸入した物資の梱包材などにウイルスが付着しており、それを従業員が取り込んで同僚やその家族に移っていったのでないかと推測されている。NZで今回拡大したウイルスは遺伝子配列的に、それまでNZで流行していたものと微妙に異なっており、豪州や英国で流行したものに似ているため、豪州や英国から輸入した物資にウイルスが付着していたのでないかと言われている。 (Source of New Zealand coronavirus outbreak still a mystery

NZでは今回の発生により、8月24日時点でで114人が陽性になり、18人を政府施設に隔離し、9人が入院し、そのうち3人が集中治療室に収容されたと報じられている。発生は、人口200万人の最大都市オークランドに集中している。NZ政府は8月13日以来、コロナ対策を厳格化し、オークランドで住民の外出制限など都市閉鎖策を実施している。NZ政府は今回の発生・クラスター出現がわかった際、日々の新たな陽性者の出現が数人ずつなのに、陽性者とその家族を全員、政府施設に隔離検疫すると発表し、まるで戦時の強制収容所みたいだと世界を驚かせた。 (New Zealand To Put COVID-19 Patients Into Mandatory Quarantine Camps

豪州では、人口500万人のビクトリア州メルボルンで8月3日から、戒厳令的な夜間外出禁止令と移動禁止、武漢式の「買い物の外出は1日に1回、家族で一人だけ」、警察が違反者を取り締まって罰金徴収など、世界で最も厳しいと言われている都市閉鎖策が実施されている。ビクトリア州政府は8月3日の発表で「今泊まっているところが家でなくても、そこから家に帰宅してはならない」とする厳格な移動禁止令を発した。これまた、戦争中かクーデター発生時の命令のようだ。豪州では5月にコロナ発生が一段落したが、7月から再度増え出し、今回の戒厳令になった。メルボルンの陽性者は累計約1万人で、戒厳令で人々の移動を禁じても毎日700人が新たに陽性になるので、州政府は、もっと厳しくせねばと言っている。 (Victoria declares 'state of disaster,' locking down millions in Melbourne to fight a soaring coronavirus outbreak

NZと豪州の事態を見て感じるのは、やっている大騒ぎが、中国や欧州など他の世界各国が今年2-4月にやっていた大騒ぎに似ている、ということだ。コロナ危機の初期にあたる2-4月は、世界が初めてコロナのウイルスにさらされていった時期だ。この時、多くの国が、国内でのウイルス拡散を止めるため、外出禁止など厳しい都市閉鎖策を実施したが、それでも陽性者の増加が止まらず大騒ぎが続いた。新型コロナは、他の風邪やインフルエンザと同様、人から人に移る力がとても強いので、都市閉鎖をしても陽性者の増加がゼロにならないし、都市閉鎖をやめると増加が再発する。 (Military posted at checkpoints as Australian state extends COVID-19 lockdown

新型コロナは、人の気道から他の人の気道に移る力が強いものの、気道に付着しても多くの人は感染せず、あらかじめ持っている自然免疫によってウイルスは感染せず撃退される。だから「感染力」でなく「移る力」だし、「感染」でなく「拡散」「拡大」である。新型コロナは他のふつうの風邪やインフルと同様、持病などでたまたま免疫力が低下している人に付着した場合だけ感染・発症し、免疫力がとくに弱い人は重症化する。死ぬ人もいるが、そのほとんどは真の死因がコロナでなく持病だ。持病持ちの人が風邪を引くと重篤になりやすいのと同じだ。重症化した場合だけ、体内に新型コロナの獲得免疫が作られる。重症化する人がごくわずかなので、新型コロナの獲得免疫が作られる人(免疫保有者)の割合もごくわずかなままだ。 (ただの風邪が覇権を転換するコロナ危機

世界各国では今年2-4月にコロナがどんどん拡大し、都市閉鎖や非常事態宣言しても拡大し、ほとんどの人は自然免疫で撃退してコロナを克服した(それなのにみんな延々とマスクを着けている。間抜け。私自身も、道義上めんどくさいので着けているが)。ごく一部の、免疫力が低いだけ重症化し、それが誇張されて医療崩壊だ何だと騒がれた。重症化すべき人は重症化して獲得免疫を得て、持病との併発で運悪く死ぬべき人は死に、都市閉鎖の政策の効果としてでなく、ウイルスの拡散によって起きるべきことがひとしきり起きた結果として、コロナ拡大は6-7月にかけて世界的に下火になった。 (新型コロナはふつうの風邪の一種?

国際的な覇権勢力は、コロナ危機をできるだけ長引かせたいので、拡大が下火になっても、各国政府はPCRの検査数を増やすことで陽性者を増やす騙しの手口などを駆使して「第2派」などのコロナ騒動を誇張捏造し、マスコミなどの公式論的にはコロナの猛威が続いていることになっている。だが実際は、人類の大半がすでに新型ウイルスに一度かそれ以上さらされ、起きるべきことが起きて、医学的な意味でのコロナ危機は終わりに向かっている。今続いているコロナ危機は、医学的でなく政治的な意味のものだ。マスコミや政府筋でコロナの「猛威」を誇張喧伝している医者たちは、医学でなく政治の言動を発している。 (新型コロナ「第2波」の誇張) (Are Americans Finally Starting To Wake Up To The MASSIVE HOAX?

一般に、感染症や伝染病がある地域に拡散していく時に、拡散によって起こるべきことは、人々がどんどん感染・発症していき、治癒した時にその病気専用の免疫を獲得して2度と感染しなくなり、獲得免疫の保有者がその地域の人々の70%とかに達すると感染が広がりにくくなって「集団免疫の形成」に達し、病気が収束していく流れだ。これは、一定以上の大変な感染症の場合だ。新型コロナはそこまで大変な感染症でなく、普通の風邪のレベルなので、ほとんどの人は、もともと体内にある自然免疫でコロナを撃退し、獲得免疫が作られない。ごく一部の重症者のみが獲得免疫を得る。獲得免疫の保有者の比率は、世界的に5-10%以下だろう。BCGなどの効果で特に人々の免疫力が高い日本では1%とかだ。多分これ以上増えない。新型コロナは、既存の考え方での集団免疫(70%)に達しない。 (都市閉鎖 vs 集団免疫

マスコミ的に歪曲するなら「新型コロナは集団免疫が形成されないほど大変な病気だ」ということになるが、実際は正反対で「新型コロナは自然免疫で撃退できるほど大したことない病気だ」というのが事実だ。集団免疫の形成を獲得免疫のみで行うのは、自然免疫で撃退できないほど大変な病気の時だ。新型コロナはそうでない。現時点で、世界の大半の地域で、新型コロナの拡散の勢いや重症者の増加率が大幅に下がっている。第2派は、マスコミが発する妄想だ。世界的に、自然免疫と獲得免疫の組み合わせによって、すでに集団免疫が形成されていると考えるのが自然だ。新型コロナは、集団免疫のあり方も新型なわけだ。 (永遠の都市閉鎖 vs 集団免疫

正確に言うと、新型コロナのあり方は「新型」というより、医学がこれまでほとんど研究してこなかった、大したことない普通の風邪と同じである。医学の研究対象は、人類に脅威を与える病気だ。そういう病気は、自然免疫で撃退できず、感染発症もしくは予防接種による獲得免疫の形成が不可欠だった。多くの人が自然免疫で撃退できる新型コロナや各種のふつうの風邪は、医学的にそれより低い脅威しか持っていない。人類に脅威を与えてこなかったので、医学の研究対象にならず、ふつうの風邪がどのように集団免疫を形成していくのか調査されていない。 (新型コロナのウイルスは存在する?

新型コロナはおそらく世界の多くの地域で、すでに集団免疫に達している。医学的にでなく、政治的にそれが認知されず、権威ある医者たちの多くが、自らの保身など政治的な理由から、新型コロナの集団免疫の形成を無視している。研究されていないので、今の医学では自然免疫の働きを測定できない。世界的に何人かの専門家が、新型コロナは10-20%の獲得免疫保有率で集団免疫が形成されるようだと分析する論文を書いている。だが、権威筋はそれらを無視している。 (Is herd immunity closer than scientists first thought?) (Herd Immunity Threshold Against COVID-19 May Be Lower Than Believed

集団免疫に達しても、まだウイルスはそのへんに漂っている。感染しなくても、気道にウイルスが付着しているだけでPCR検査で陽性になり、陽性者=感染者という全く間違った概念により、今日もたくさんの感染者が出ましたと報じられる事態が続く。前は免疫力が高く自然免疫で新型コロナを撃退したものの、今は何らかの理由で免疫が落ちた人の気道に再びウイルスが付着すると、今度は感染発症してしまったりする。だから、集団免疫に達した後も、少数の人々が常に新たな発症者として出てくる。陽性者や発症者が出てくる限り、集団免疫もコロナ危機の終わりもこないという間違った考えにより、コロナ危機が政治的に恒久化されていく。これが今の世界の状況だ。 (新型コロナの脅威を誇張する戦略

新型コロナを自然免疫で撃退できる人々に、人造の獲得免疫であるワクチンを接種した場合、ワクチンの獲得免疫が体内にずっと残存するのか疑問がある。自然免疫で防御できるのだからこの獲得免疫は要らないと身体が判断し、ワクチンの効果が短期間で消える可能性がある。消えても、自然免疫で防御できるのだから医学的にはかまわないし、そもそも接種の必要がないのだが、政治的には「ワクチンの効果が短期間で消えてしまった。毎年接種せねばならない。全人類に毎年強制的に接種する」など、とんでもない方向に話が進みそうだ。 (Australia Prime Minister Puts Citizens On Notice: All Will Likely Undergo Mandatory COVID-19 Vaccinations

ここまで延々と回り道してしまった。NZや豪州の話に戻る。今のNZや豪州は、上で述べた「世界の多くの地域」に入っていない。NZと豪州は、今年3月に中国から世界にコロナが拡大していった時に外国からの人の流入を止め、国内での拡大を抑えた。世界の他の国々が、都市閉鎖しても陽性者が増え続け、その結果として発症すべき人が発症して集団免疫が形成されて事態が安定していった時期に、NZと豪州は陽性者の増加を抑えることに「成功」し、人々は行動制限も受けず、飲食店も開いていた。NZ政府は「コロナに勝った」と宣言していた。だが実のところ、NZや豪州はコロナに勝ったのでなく、まだコロナが十分に来ていないだけだった。 (New Zealand Takes A Page Out Of China's Book, Blames Latest Outbreak On Imported Goods

新型コロナを克服するには、国内での拡散が起こり、発症すべき人々が発症して集団免疫が形成されるしかない。NZと豪州は、それを経験してこなかったので、今ごろになって国内にウイルスが拡散し、陽性者や発症者が増えている。他の世界が3-4月に経験したように、厳しい都市閉鎖をやっても陽性者の増加を止められない。都市閉鎖をやるほど、集団免疫の形成が遅れ、閉鎖が長くなり、経済的な被害が大きくなる。以前に何度も書いたが、都市閉鎖は愚策である。他の世界と同様に、今後、国内での拡散がある程度進めば、NZや豪州も集団免疫が形成され、事態が安定していく。 (都市閉鎖の愚策にはめられた人類) (Rand Paul: Lockdowns Were A ‘Big Mistake’

今回のNZと豪州の事態でわかったことのもう一つは、世界的に新型コロナの病原性が低下したのでないかという推論が間違っていることだ。世界の多くの国々で、コロナの陽性者や重症者の出現率が低下しており、その理由をコロナの病原性の低下と推測する考え方がある。従来、感染を重ねるほど病原性が低下するウイルスが多かったので、新型コロナもその一つかもしれないと、私も考えてきた。だが、今回のNZや豪州では、陽性者や重症者が急に出現している。NZや豪州以外の世界では、コロナの病原性が低下したからでなく、自然免疫と獲得免疫を組み合わせた集団免疫の形成により、陽性者や重症者の出現率が下がったと考えた方が良い。

世界的に新型コロナの集団免疫が形成されつつあるが、公式論としては、今後もそんなことは認知されず、コロナ危機の恒久化が画策され続ける。ワクチンが作られても有効期間が短いなら、そのこともコロナ危機の恒久化に使われる。国際的な人的交流が今後もずっと停止され、軍産の国際的な諜報網が破壊されていく。中国ではコロナを使って習近平の独裁体制が強化され、独裁体制が中国の覇権拡大を容易にする。トランプが再選され、米国の覇権放棄と多極化が進められる。コロナ危機はそのために何年か引き延ばされていく。 (中国の悪さの本質

 

 



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おれない、ために


                  Enviro-News from Junko Edahiro


                      No. 2765 (2020.08.21)

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2018年4月から月1回、地道に続けてきた幸せ研の読書会、今月28日に第100回の開催となります。

これまでどんな本を取り上げて「幸せ・経済・社会」のあり方を考えてきたのか、7分の動画にまとめてもらいました。幸せ・経済・社会を考える上での必読書、こうやって眺めると、それぞれがつながりあって未来への道を示してくれているようです。よかったらご覧下さい。
https://www.ishes.org/news/2020/inws_id002811.html

またこれまでの読書会を音声受講することもできます。ご興味のあるテーマや書籍をピックアップしてご利用ください。
https://www.ishes.org/news/sem_onsei.html

記念すべき第100回の読書会は、先の見えない今の状況だからこそ、「レジリエンスについてみなさんと考えてみたいと思っています。

レジリエンスとは、さまざまな課題や圧力にも、ポキッと折れてしまうことなく、しなやかに立ち直る力です。コロナ危機、気候危機、エネルギー危機、人口危機……。個人としても、組織や地域としても、社会全体としても、ますますレジリエンスが必要とされる時代になっていきます。

レジリエンスとは何か? それをつくり出す要素とは? 具体的に組織のレジリエンスの差はどのように出てくるのか? 

課題書には、私が執筆した入門書である『レジリエンスとは何か』と、ハーバード・ビジネス・レビューの『レジリエンスを取り上げます。レジリエンスの基本的な考え方を学んだ上で、世界の研究者が示している組織や働く人の「レジリエンスの考え方についても学びを深めていきます。

次の100回に向けてのスタートとなる読書会、ますますレジリエンスが必要とされる時代に向けて、しっかり学び、考えていきましょう! みなさんの参加お待ちしております。

【第100回】
「幸せと経済と社会について考えるオンライン読書会」開催のご案内
レジリエンスとは何か』『レジリエンス』を読む

日時:8月28日(金)18:30~20:30(開場18:00) 

会場:オンライン(Zoom使用予定)
 (申し込みされた方にURLをご案内いたします) 

課題書:
レジリエンスとは何か』(著:枝廣淳子)
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4492045678/junkoedahiro-22
レジリエンス』(編集:ハーバード・ビジネス・レビュー編集部)
https://amzn.to/2EbknZe

定員:先着24名

資料代:1回 3,000円(税別)

お申し込み:こちらからどうぞ(外部サイトへ移動します)
https://peatix.com/event/1579319

※お申し込みいただいた方全員に、資料と音声をお届けしますので、オンデマンド型で勉強いただけます。「この時間は都合が悪い」という方もぜひどうぞ!

たまたま昨夜、『LIFESHIFTライフシフトの共著者であるロンドン・ビジネススクール教授のリンダ・グラットン(心理学者)&アンドリュー・スコット(経済学者)とのzoom勉強会に参加しました。 おふたりはこの本で、人生100年時代における働きかたと生きかたについて、新しいフレームワークを提案していらっしゃるのですが、昨夜の勉強会は「コロナ禍がライフシフトや私たちの暮らし・生き方にどういう影響を及ぼすか」がテーマでした。おふたりの答えは明瞭で、「コロナ禍は、ライフシフトを加速するとともに、そのストレステストとなる」「何よりもレジリエンスが重要になってくる」というものでした。

私が、日本の皆さんにもレジリエンスについて知ってほしい、あらゆる分野でレジリエンスを高めてほしい、と願って『レジリエンスとは何か』を書いた当時は、これほどレジリエンスの重要性が叫ばれる時代がこんなにすぐに来るとは思っていませんでした。これからもその重要性は増す一方だろうと思っています。ぜひ一緒に学び、考え、試行錯誤していきましょう!
https://peatix.com/event/1579319


さて、私が副代表として参加している熱海の未来創造部では、「川から海への流れ込むプラスチックごみを河口でキャッチする!」というプラキャッチプロジェクトを進めています。
https://mirai-sozo.work/topics/miraisozo/environment/marineplasticwaste.html

8月24日に「SDGs目標12・14を体験を通して考える!海と川とプラごみプログラム」を開催します。まだ少し残席がありますので、よろしければご参加下さい。
https://mirai-sozo.work/topics/010642.html

夏の1日、世界と日本のプラごみの問題のデータや取り組みの最新情報などとともに、プラごみ問題の本質をじっくり考えませんか。感染防止対策をしっかりとり、少人数での開催です。

当初は、「学校の夏の自由研究にも」と思っていたのですが、コロナの影響で夏休みが短くなり、自由研究の宿題もなくなった学校が多いとのこと。24日はすでに夏休みが終わっている小中学校も多いため、今回は「大人の自由研究」の趣となりそうで、いろいろな議論ができることを楽しみにしています(もちろんお子さんのご参加も大歓迎です!)

お申し込みはこちらからどうぞ。
https://mirainotane.stores.jp/

【日時と場所】

日時:2020年8月24日(月) 9:00集合~午後1時まで
(午後5時まで施設とサポートを利用できます)

場所:静岡県熱海市渚町7-5 未来ビル集合~サンビーチ~糸川河口~未来ビルで解散
(未来ビルは熱海駅から、徒歩で16分、バスで10分。海のすぐそばです)

【プログラム内容】(だいたいのスケジュール)

9:00:受付

9:30:2Fのマリン・スクエアにて、本日の流れの説明、プラごみ問題クイズ大会

9:50:サンビーチへ移動(徒歩3分)
  ビーチでのプラごみ、マイクロプラスチックの観察)
  糸川河口へ移動(徒歩5分)
  マリーナから作業船に乗って、プラキャッチプロジェクトに参加!

12:00:未来ビルに到着、ひとやすみ

12:15:まとめの時間(プラごみ問題の現状、世界と日本の取り組み、どうしたら解決できるか)

13:00:終了、解散

※昼食をご希望の方は、地元・宇田水産のスペシャル丼「未来丼」(1200円)をご注文いただけます。(当日朝、集合時に注文。マリン・スクエアで召し上がっていただけます)

※マリン・スクエアは17時までお使いいただけます。プラごみ問題の専門家・枝廣淳子が17時まで学びや研究のサポートをします。

※もちろん、海を眺めながらのんびり時間を過ごすこともできます!

<特典>
ご家族・グループに1冊ずつ、プラごみの解説がわかりやすく読める『プラスチック汚染とは何か』をプレゼントします。

※海洋プラごみ問題を、海から考えることができます。海岸で何を発見するのか? 作業船に乗り込んで、海からプラごみ問題を見てみる! 環境問題に20年以上取り組んできた枝廣淳子とじっくり意見や情報を交換するなど、ここでしかできない体験をぜひ楽しんでください。ワンディ・ワーケーションとしてもお勧めです!

まだまだ熱い夏がつづきそうですね!(「暑」と「熱」を組み合わせた新しい漢字を創りたくなります……)

どうぞみなさま、体調に気をつけてお過ごしください。