にほんは、いきのびられるのか?

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新型コロナでリベラル資本主義の世界体制を壊す

2020年11月21日   田中 宇

英国の与党である保守党の国会議員の間で、自分たちの仲間であるはずのジョンソン政権の英政府の新型コロナウイルス対策としての都市閉鎖策に反対する動きが広がっている。都市閉鎖は、人々に不自由を与え、経済を破壊して失業が増えるばかりで、コロナの感染拡大を防ぐ効果が少ない。それなのに、英政府はコロナの状況を悪い方向に歪曲誇張して「第3波」を演出して都市閉鎖を再開している。こうした間違った政策をやめるべきだと考える保守党の国会議員たちが集まって「コロナ復興グループ(Covid Recovery Group)」を結成し、無意味な都市閉鎖策をやめるようジョンソン政権に要請し始めた。364人の保守党下院議員のうち100人以上が新グループに参加もしくは参加検討している。メイ前首相がまとめ役をしている。 (Boris Johnson faces growing Tory revolt over coronavirus strategy) (Tory MPs form group to oppose future lockdowns

英保守党の新集団結成からは、コロナをめぐるいくつもの本質が見えてくる。その一つは、都市閉鎖が超愚策であるという指摘が、私など市井の分析者の「妄想」でなく、英国の議員・エスタブたちも認める「正しい事実」であると確定したことだ。私は、先進諸国が都市閉鎖策を開始した今年4-5月から、都市閉鎖はコロナの感染拡大への効果が薄いだけでなく、経済を自滅させ、人々に不自由や精神的苦痛を与えるばかりのひどい愚策だと考えてきた。英米など多くの国々の政府やマスコミは、PCR検査を悪用してコロナの感染状況を誇張した上、都市閉鎖を強行し、世界経済を自滅させ、人類全体に無用な苦痛を与えてきた。英保守党の新集団の人々の考えは、こうした私の分析と大体一致しているように見える。 (コロナの歪曲とトランプvs軍産の関係) (Don’t believe the COVID case numbers; it’s a scam

見えてきたコロナの本質の2つ目は、英議員たちが都市閉鎖をやめるべきだと正しい指摘を開始したのに、ジョンソンの英政府は少し譲歩しただけで、ほとんど無視して都市閉鎖策を続けていることだ。英政府は、都市閉鎖が愚策だと知りつつ続けていることになる。英国だけでなく、世界の多くの国々が、愚策と知りつつ都市閉鎖を続けている。当初から、各国の感染症に詳しい医師ら専門家の間から、都市閉鎖は効果が薄く害悪ばかり大きいとの指摘が出ていたが、各国政府やマスコミは、こうした正しい指摘を全く無視してきた。各国政府が自滅的な超愚策をバラバラに延々とやっているとは考えられない。各国政府に都市閉鎖をやらせている、影響力のある国際的な司令塔があり、。覇権的黒幕たちがいるはずだ。新型コロナは本質的に、医学の問題である以上に、国際政治・覇権的な謀略である。先進諸国を相手に国際政治の謀略をやれるのは、米英の中枢にいる、軍産複合体(深奥国家)とか諜報界とか、隠れ多極主義勢力とかの勢力ぐらいしかない。(イスラエルはもう弱い。中露は先進諸国を動かせない) (New Study Proves Lockdown's DON'T WORK, Cause Too Much Harm, Do NOTHING To Stop The Spread of Coronavirus

今回、英国の中枢にいる保守党の議員団が、都市閉鎖をやめろとジョンソン政権に要請したのに無視されている。保守党の議員団は、軍産やMI6など英諜報界の仲間であるはず。だが保守党の議員団は、コロナの自滅策を立案しやらせている側でなく、やめさせようとして無視されている。英保守党やMI6の主流は、コロナを使った国際政治謀略の遂行者・黒幕でない。遂行者はほかにいる。 (COVID-19 Is "The Greatest Hoax Ever Perpetrated On An Unsuspecting Public"

保守党議員団の要請を無視して都市閉鎖を続けているジョンソン政権が遂行者なのか?。それも多分違う。ジョンソンは当初(今年3-4月)、都市閉鎖でなく集団免疫策によってコロナ危機を乗り越えようとした。だが、1-2週間もしないうちに、どこか外部(国外?)から圧力がかかったらしく、都市閉鎖策に転換した。この経緯は当時の安倍政権の日本と似ている。安倍の日本は「隠然集団免疫策」と呼ぶべき姿勢をとっていたのを外部(国外=米国)から見とがめられて都市閉鎖をやれと3月後半に加圧され、4月初めに準閉鎖策として非常事態宣言を出した。安倍自身は愚策の責任をとりたくないので、小池都知事が独走したことにした。ジョンソンも安倍も、外国=米国から動かされただけだ。こんな風に日英を動かせるのは米国しかない。ジョンソンも安倍も、トランプの子分みたいな存在だ。トランプ自身は都市閉鎖に反対する演技を続けてきたが、トランプが怪しい。 (都市閉鎖の愚策にはめられた人類) (英国式の現実的な新型ウイルス対策

英米ともに、労働党民主党の側は、都市閉鎖に賛成している。保守党=共和党=トランプは、都市閉鎖に反対する傾向(演技)だ。労働党民主党は、人々の権利や政治的自由、プライバシーを重視する「リベラル派」だ。国際政治謀略としてのコロナの都市閉鎖は、人々の行動の自由を無意味に剥奪し、接近監視アプリなどでプライバシーを猛烈に侵害しており、リベラルと正反対の政策だ。だがその一方で、英労働党や米民主党は世の中を社会主義的にしたいと考える「左翼政党」でもある。その観点で見ると、コロナで先進諸国の経済が自滅して、二度と就職できない失業者が大勢出て、UBI(ユニバーサル・ベーシックインカム)など社会主義っぽい政策をやらざるを得なくなることは、左翼が望む社会主義体制が棚ボタで出現することに等しい。米英の民主党労働党が都市閉鎖に賛成し続けているのはそのためと考えられる。 (通貨デジタル化の国際政治) (人類の暗い未来への諸対策

とはいえ左翼は、米英の覇権運営を握る軍産諜報界・深奥国家の仲間でない。民主党労働党で軍産の仲間なのは「左翼(容共・親社会主義)」でなく「リベラル(反共・反社会主義)」を標榜する「中道派」だ。中道派は、保守党・共和党の中道派と同様、完全雇用システムに基づく既存の「リベラル資本主義」を信奉している。これは、戦後の米英覇権の根底にある世界体制でもあった。コロナの危機は、このリベラル資本主義の体制を自滅的に破壊していく。コロナの感染拡大防止を口実に、人々の自由が奪われてリベラル社会が滅亡し、ガチガチに管理された共産中国に似た社会主義全体主義的な新体制が世界的に敷かれていく。自由市場と完全雇用をめざす資本主義は、コロナが人為的に作り出した世界恐慌によって破壊され、政府のほどこしで人々が生きるUBIやMMTが横行する社会主義的な経済が出現する。コロナの都市閉鎖は、リベラル資本主義を破壊していく。「先進諸国の中共化」が起きる。力なく笑うしかない。 (China and Germany heading for superpower status as U.S. influence wanes, says Putin) (国際政治劇として見るべきコロナ危機

米国で(万が一)トランプによる共和党結束の策が失敗して民主党のバイデン政権ができると、バイデン自身は中道派だが、コロナ危機の流れからし民主党内の左翼が勃興し、左翼のハリス副大統領がバイデンをしのぐ政治力を持つようになり、中道派が弱体化させられて左翼政権になっていく可能性がかなりある。そうなると左翼は、コロナを使った先進諸国の「社会主義化」が願ってもないことなので、コロナの誇張された蔓延の演出を長期化し、コロナ危機が来年も再来年も続く。ワクチンはなかなか完成しない。

そもそも新型コロナは、発症者のほとんどが体内にもともと存在する自然免疫で治る病気なので、ごく一部の重篤な症状になった人だけに獲得免疫が作られ、それも体内に長く存在しない。獲得免疫であるワクチンを接種しても、しばらくすると体内の抗体が消えてしまう。新型コロナがほとんどの人にとって大した病気でないからそうなるのだが、コロナ危機を長期化したいマスコミや各国政府筋はここぞとばかりに「ワクチンは効果の期間が短くてダメだ」「打つ手がない」「永遠の都市閉鎖を覚悟するしかない」と騒ぎ続け、リベラル資本主義潰しが徹底され、社会主義万歳的な事態になっていく。

要するにコロナは左翼の陰謀なのか??。実はそうでもない。UBIやMMTといった社会主義的な、政府が人々に施しものを配り続ける新体制の資金の出どころは、究極的にすべて中央銀行の造幣つまりQE策である。コロナ危機の長期化で、先進諸国は大量生産・大量消費・完全雇用・みんなで納税のリベラル資本主義体制が破壊され、政府は税収が激減したまま戻らず、QEによる国債買い支えに依存するしかなくなる。しかし、QEで造幣した資金を人々に配って消費させると、商品と通貨の量的なバランスが崩れてインフレが激化し、国債など債券金利が上昇して金融が破綻していく。QEに依存する米欧の新たな社会主義体制は長続きできない。ドルやユーロが破綻したら、米欧の新たな社会主義もおしまいだ。

ドル崩壊は米国覇権体制の不可逆的な終わりになる。世界は多極型になるしかない。多極化を大昔から推進してきたのは、左翼でなく、ニクソンレーガン・トランプの流れをくむ「隠れ多極主義」の勢黒幕力だ。彼ら多極屋が、左翼が飛びつきたくなる棚ボタの社会主義体制と、コロナの都市閉鎖でそこに行き着く「左からの米国覇権自滅」の道筋を用意してやり、今の事態を作ったのでないかと私は分析している。コロナ危機の黒幕は隠れ多極主義の勢力だ。彼らの目的は、米国覇権の根幹にある既存のリベラル資本主義の世界体制を破壊することだ。左翼が台頭して社会主義的な政策をやる動きは、そのために道具にすぎない。UBIなどはQEの行き詰まり・ドル崩壊とともに終わることが運命づけられている。左翼は、多極屋に動かされているだけだ。

これまでリベラル資本主義をやってきた米欧諸国は、歪曲誇張されたコロナ危機によって資本主義を自滅的に壊し、長続きできないQEやUBIの社会主義体制に移行し、移行から10年前後でそれも経済破綻・ドル崩壊し、単なる貧しい国々になっていく。対照的に、これまで「社会主義市場経済」「集団指導体制」などと言って無理やりリベラル資本主義に似せたことをやってきた中国は今後、習近平による内需主導型経済への転換(双循環)戦略や、「一帯一路」の地域覇権的な広域経済戦略によって、大量生産・大量消費・完全雇用のリベラル資本主義的な経済体制を維持できる唯一の経済大国として存在し続ける。資本主義だった米欧が社会主義になって破綻していき、社会主義だった中国が資本主義になって繁栄を続けるという逆説的な世界になる。ここでも、力なく笑うしかない。 ("The Great Reset" Already Happened

日本や韓国や豪州や東南アジアは、中国の繁栄に便乗したい。日韓豪亜は、これまでのように米国を絶対の従属先としていたら経済的に自滅してしまう。世界で唯一、まともな経済体制を広域的に今後も保ち続けるのは中国だ。だから日韓豪亜は、中国と周辺諸国との貿易協定であるRCEPの締結を急ぎ、中国も自国の覇権拡大になるので喜んでRCEPを急いで締結した。この事態を作ったのは米国自身である。右翼モリソンの豪州は今のところ中国敵視を続けているが、それをやめるのも時間の問題だ。豪州は、中国との経済関係なしに生きていけない。 (How Australia-China relations have hit 'lowest ebb in decades

中国と日韓豪亜(ASEAN+5)がRCEPを締結した直後、中国の習近平や商務省が、日豪が主導する海洋アジア・太平洋地域の貿易圏TPP11に中国が加盟することを前向きに考えていると表明した。TPPはもともとオバマ時代の米国が中国包囲網的な貿易圏として構想したものの、覇権放棄・隠れ多極主義なトランプ政権になって米国が離脱し、代わりに当時の安倍の日本が主導役になってTPP11(CPTPP)として進めてきた。安倍は2017年夏、中国に対し「TPP11は中国包囲網でなく一帯一路(中国覇権)と連携する貿易圏です」と表明し、中国敵視をやめて対中従属に日本の国是を転換する動きの象徴としてTPP11を位置づけた。日本は首相が安倍から菅に交代して、むしろ中国に対する擦り寄りを強めた。今回、RCEPの締結とともに、中国は初めて「TPP11に入っても良い」と言い始め、RCEPとTPP11と一帯一路を相互乗り入れ・合体し、日本の対中従属を確定する動きが始まった。 (中国と和解して日豪亜を進める安倍の日本

中国は今週さっそく王維外相を訪日させ、日中関係の緊密化に入る。新たなる属国化だ。日本はしばらく「米中両属」になる。琉球を見習うしかない。右翼は紫禁城首里城に向かって土下座しなさい(右翼なんてもういないってか??。ここでも力なく笑うしなかい)。日本は、米国の次の誰になるかを見極めることすらせず、むしろ米国が大統領選挙後の混乱で同盟諸国へのにらみが効かなくなっていることを利用して、従属先を米国から中国に替えていく。これは不可逆だろう。米国の次期大統領が(万が一)バイデンになったらトランプが放棄した米覇権を修復すると予測されているが、そんな予測がお門違いであることを示すかのように、日本や韓国はどんどん中国の覇権下に入っていく。

コロナ危機は欧米の経済に大打撃を与えているが、それと比較して、日本や中国の経済にはあまり打撃となっていない。中国は早々と国内経済を立て直し、内需主導で世界最速のプラス成長に転換している。日本は都市閉鎖をできるだけやらない姿勢をとり続け、不況を最小限に抑えている。コロナ危機の黒幕をやっている米国(多極屋)は、日本が都市閉鎖をやらなくても圧力をかけてこない。日本が従属先を米国から中国に替えることは多極化に資することだから、多極屋たちは満足しているようだ。日本にも軍産やWHOの手先みたいな「専門家」たちがいて、彼らは日本政府に「もっと強いコロナ対策をとるべきだ」とプロパガンダを叫んでいる。だが、菅政権は彼らを無視する姿勢を見せ始めている。 (専門家「強い対策を」目立つ政府との足並みの乱れ

日本が対米従属を最重要と考え続けるなら、米国から強要される都市閉鎖など自滅的なコロナ対策をとる必要がある。だが安倍や菅の日本は従属先を米国から中国に替えている。中国は、他国に特定のコロナ対策を強要していない。日本は従来どおりの甘いコロナ対策でかまわない。日本でも欧米と同様、左翼は、社会主義的な体制を強化するコロナ危機の誇張に好んで乗る傾向にある。世界的に見て、戦後の日本は左翼がかなり強い国であり続けてきた。学術界には左翼が多い。彼らは今後もコロナ危機を誇張し続けるだろうが、日本政府はそれに乗らない傾向になっていく。菅政権が就任直後に学術会議の左翼を不承認にしたのは、今後につながる動きの前哨戦だったのかもしれない。

米国の隠れ多極主義勢力・多極屋は戦前から存在している。トランプは創造的ですごいが、多極屋の新参の代理人にすぎない。トランプは「右からの多極化」をやってきた。だが新型コロナの出現後、左翼がコロナ対策を使って米国覇権を自滅させていく「左からの多極化」の流れが出ている。元祖黒幕の多極屋たちとしては、左右どちらからでも、効率良く多極化できるならそれが良いはずだ。ハリス副大統領ら米民主党の左派がバイデン政権を乗っ取って自滅的な策を連発する道筋も、黒幕たちにとって魅力的かもしれない。そう考えると、今回の大統領選で最終的にトランプが巻き返して勝つのかどうか怪しくなってくる。 (Germany Is Ready to Offer America a New Deal

12月にかけて、いくつかの接戦州で地元の共和党勢力がバイデンの勝ちを認めないまま2重の当選証書が発行されれば最終的にトランプが勝つが、その前段階で接戦州の共和党が敗北を認めてしまうとトランプは勝てない。裁判や再開票は時間稼ぎにすぎず、本質は、トランプら連邦の共和党上層部が、各州の共和党を説得して団結させられるかどうかにかかっている。状況は微妙なところだ。最終的にトランプが負けてバイデンになる場合、黒幕の覇権屋たちが、右からでなく左からの自滅に乗り換えたことになる。 (Trump campaign drops Michigan ballot lawsuit — president called GOP county election officials

とはいえ、多極化に最も大事なのは、米国よりも、同盟諸国が米国に愛想をつかして対米自立するかどうかだ。民主党では、覇権を自滅させる左派だけでなく、覇権を蘇生させたい中道派・軍産もいて左派と暗闘しており、まだまだ決着がついていない。バイデンを勝たせると、同盟諸国の軍産エスタブたちが米国の軍産中道派と結託して米覇権を延命させかねない。民主党内で中道派が強まると、左派が力を削がれて再び傍流に落とされ、覇権の自滅が進まなくなる。それは多極屋が望むところでない。この点では、同盟諸国に喧嘩を売り続けるトランプの方が多極屋にとって良い。トランプにあと4年やらせてから民主党左派に政権を取らせるのが良い。 (Thank You for Voting and Get Out) (Giuliani Claims in Court That Pennsylvania Election Was Stolen

しかしさらに考えると、これからあと4年間もコロナ危機を引き伸ばせるのかという疑問に突き当たる。コロナ危機が長引くほど、欧米では、しだいに誰が見ても愚策とわかるようになる都市閉鎖に反対する市民の反政府運動が強くなる。すでにスペインなどでは、反政府運動を抑えられないので政府が半年間の都市閉鎖を決めており、それがまた市民を怒らせ反政府運動を扇動してしまう悪循環になっている。コロナ危機自体をあと4年間引っ張らなくても、その前に欧米はどんどん自滅していくとも読める。コロナ危機を終結して、似たような他の針小棒大感染症を世界的に蔓延させる手もあり得る。ビルゲイツがいろいろなヤラセを考えてくれている。まずは、トランプがどうなるかだ。どうなっても、日本は中国への擦り寄りを続けるだろう。 (Anti-Lockdown Protests All Across Europe

 

 



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なすりえは、はたらいてるなー

奈須りえのメルマガ 目からうろこ

第57号 陥没事故で心配な外環道、リニア中央新幹線

このメールにそのまま返信すると奈須りえに届きます。ぜひ、ご意見、ご感想、気になること、お送りください。


新型コロナでソーシャルディスタンスという言葉が使われるようになりました。

調べていたら、過去に、WHOがインフルエンザのパンデミック対策として使っていて、
WHOは新型コロナでもこの言葉を使っています。

ところが、元の資料をよく読むと、WHOは医療資源の乏しい地域において
インフルエンザのパンデミック対策としてソーシャルディスタンスという言葉を
使っています。

https://www.who.int/csr/resources/publications/swineflu/low_resource_measures/en/

一方日本では、新型コロナにおいても、三密など、ソーシャルディスタンス
対策を講じていますが、こうした人と人との接触を避けることもあって、
医療機関に行くことを控える傾向にあると言う指摘もあります。

新型コロナ以降、診療所や医療機関の経営に影響がでている、
という指摘もあります。

医療資源の乏しい地域で行うべきソーシャルディスタンスで、
世界に誇るべき日本の医療のフリーアクセスや充実した医療資源が
逆に乏しくなることは無いでしょうか。


*・*・*・*・*・*・*・*・*・

第57号 陥没事故で心配な外環道、リニア中央新幹線

外環道のトンネル工事現場近くで陥没事故が起きました。

日ごろから同じ大深度地下工事ということもあり、
外環道の方たちに誘われて、リニアの反対運動を
しているメンバーと国交省への要請や、現地調布市への
視察などをしています。

トンネル工事の上、陥没現場近くにお住いの方の家に
あげていただき、お話をうかがいましたが、ここ、ひと月、
振動に悩まされ、不安な毎日を過ごしていたそうです。

「穴に吸い込まれるのではないかと思いながら暮らしている」
という生生しい声を聴き、私も、ここで陥没するかも知れない
という気持ちで歩きました。

大深度地下を掘り始める前に、NEXCOは、近辺やトンネルの
真上ではボーリング調査を行わず、離れた場所で行っていた
そうです。

リニアも、トンネルを通す70m程度の地下深くまで
ボーリング調査を行っているのは、大田区でもわずかで、
ほとんどのボーリング調査は、マンション建設の時に行った
調査を代用していて、それも20mの深さ程度です。

https://company.jr-central.co.jp/chuoshinkansen/daishindo/shiyoninka/_pdf/03-02-01.pdf

外環道の事故の調査が始まりましたが
調査委員会の委員は、全員が地下トンネル工事が問題ない
とした委員会のメンバーです。

委員会の判断を覆し、外環道と陥没事故の因果関係を
認める判断ができるでしょうか。

*・*・*・*・*・*・*・*・*・

☆インフォメーション・集会・イベントなどのお知らせ

◆11/17緊急オンラインセミナー
大深度地下のトンネル工事で住宅街が陥没 ~リニア工事も危険!」
 *奈須りえも一緒に活動している外環道の方とスピーカーとして
  参加します。

https://blog.goo.ne.jp/nasrie/e/2b0414bbf5e157b4ab69fb47e6db18e5

日時:11月17日(火)19時~20時半
参加費:無料

申込み  https://www.foejapan.org/event/event_form.html

前日16日の16:00までに、以下からお申込みください。
※オンライン会議システムのzoomを使います。
※マイク・スピーカー機能のついたPCもしくはスマホタブレットが必要です。
※前日16日の18:00までに、メールにてzoom会議参加用のリンクと説明をお送りします。

◆緊急集会
   外環トンネル上陥没でリニアは大丈夫か
日時: 11 月 21 日? 14 時~16 時
場所: 嶺町集会室 (大田区田園調布本町 7-1)
お問い合わせ:電話 090-3095-1210 (リニアから住環境を守る田園調布住民の会 三木)
メール dhsmf372@ybb.ne.jp (リニア・市民ネットワーク東京 奈須)

ティーパーティ

奈須りえとテーマを決めないおしゃべり会です

参加費:300円(お茶・お菓子付)
場所:奈須りえ事務所

12月2日(水)19時~21時
12月4日(金)10時~12時

大田区中央2-11-5
電話:09091560313
メール:office@nasurie.com


☆傍聴のお誘い
第四回定例会 12月27日からです
年間総定評の日程をご覧ください。
https://www.city.ota.tokyo.jp/gikai/kaigi_oshirase/kaigi_nittei/nenkanyotei_r02.html

◎ボランティア募集
●リニアのポスティング

☆外環道の工事現場近くで陥没事故があり、同様の工事が行われるリニアの経路周辺の皆さんも心配されています。
 集会案内のポスティングのお願いです。
 経路周辺(上池台、石川台、東雪谷、田園調布)を中心にお手伝いを募集します

●動画の文字起こし

北海道大学松井利仁教授を招きして行った環境省国交省交渉
☆スーパーシティの内閣府総務省交渉の動画の文字起こしをします。

文字起こしのアプリがあり、ほぼ出来上がっていてチェック
なのでさほど負担にならないと思います。
動画も分割されてい25分程度と短いです。

ボランティアをして下さる方は、お申し出ください。
動画は以下の二つです。

☆「日本の航空機騒音に関する環境行政の課題」
☆本当にスーパーシティで良いですか?

ほんまかいな

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トランプ再選への裏街道

2020年11月7日   田中 宇

揉めている米大統領選挙に関し、マスコミ軽信者が多い日本などでは「トランプとその支持者は、民主党が広範な選挙不正をしたというウソを言って、敗北が決定的なのに負けを認めようとしない」という見方が席巻している。だが、私が見るところ、民主党が広範な選挙不正をした可能性は十分にある。そして、米国の選挙制度を見ていくと、トランプと共和党民主党の選挙不正を指摘し続け、自分の勝ちを主張し続けて敗北を認めずに頑張っていると、たとえ「民主党の選挙不正」がマスコミや権威筋も認める公式な話にならなくても、選挙制度に沿って、合憲的に、トランプが勝っていく道筋があることがわかる。それは、大統領選挙で勝者を確定できず揉めた場合にどうするかを決めた合衆国憲法の修正12条に依拠した道筋だ。 (Donald Trump's Stealthy Road to Victory) (米民主党の選挙不正

修正12条で今回使われそうな要点は2つある。一つは、どこかの州で共和党民主党が別々に選出証書を作ってワシントンDCに送ってきた場合、どちらが正当かを決めるのは連邦議会上院の議長、つまりペンス副大統領だということ。もう一つの要点は、トランプとバイデンの両方が270人分=過半数の選挙人数に達しなかった場合、どちらが勝ったかを決めるのは、通常と異なる「1州1票」の方式に基づいた連邦議会下院だということ。連邦下院は、通常の「1議員1票」の方式なら民主党が多数(下院選挙が今の趨勢のまま民主党が多数を維持した場合)だが、1州1票方式だと共和党が多数になる。どちらの要点を経由しても、修正12条という名の裏街道はトランプの選出に行きつく。米大統領選の制度は複雑難解なので、これだけではわかりにくい。以下、私なりに説明していく。 (Twelfth Amendment to the United States Constitution

合衆国憲法は、大統領選挙に関して、有権者1人1票の一般投票を定めていない。米憲法に基づく「選挙人制度」の本質は、各州が投票するかたちで大統領を決めることだ。各州の規模などに応じて大統領を選ぶ際の発言力に差をつける意味で「〇〇州は〇人」といった「選挙人」の制度がとられている。米国は連邦制の「合州国」であり、各州の意思が連邦の運営を決める。各州の意思を決めるのは州議会と知事(州政府)だが、州の議員と知事を選挙で選ぶのは州の有権者なので、その点で間接民主制だ。憲法上、各州は、どのような方法で選挙人団を選んでも良い。19世紀には、州議会が選挙人団を選出する州がいくつもあった。それをさらに民主的にするという意味で、憲法はそのままで、今はすべての州が州民の一般投票で選挙人団を決める方法を採用している。米最高裁は、各州が勝手に大統領選の一般投票をやめても良い(合憲だ)と判決している。 (How Donald Trump Could Steal the Election

大統領選の一般投票の対象は「大統領候補」でなく「自分の州の選挙人団候補」だ。大統領候補の数だけ選挙人団候補がある。最多数の票を取った選挙人団候補が正式な選挙人団になり、選挙人集会を開いて州としての正副大統領を選出し、州知事の承認のもと、その議事録を選出証書としてワシントンDCの連邦議会に送る(勝者総取り方式を採用する全米48州の場合。今回の選挙で揉めている諸州はすべてこの方式。残りの2州は比例配分的な方式)。連邦議会は1月6日ごろに「連邦議会両院合同会議」を開き、そこで各州から送られてきた選出証書を集計し、正副大統領を選出する。揉めない大統領選の年には、投票日の翌日ぐらいに確定した当選者がそのまま選出され、この手続きのすべてが儀礼的なものになる。

しかし、今年は違う。トランプと支持者たちは「民主党がひどい選挙不正をやった」「本当は勝ったのに」と言い続けている。軍産マスコミ権威筋とその軽信者たちは、トランプ敵視もしくは民主党寄りなので、選挙不正は今のところ陰謀論扱いされている。だが、トランプ側が今の態度を続けると、少なくとも共和党全体として「本当は勝ったのに民主党がひどい選挙不正をした」という主張が強くなる。この状態で、選挙人制度の手続きが行われていくとどうなるか。 (Trump’s Endless Lawsuits Could Theoretically Help Win Him Election If This Turns into a Bush v. Gore Situation

今回の選挙で、開票の途中で優勢がトランプからバイデンに替わり、それが民主党の偽造票紛れ込ませの不正のせいだと疑われているアリゾナウィスコンシンミネソタペンシルバニアの各州(選挙人が4州合計で57)は、いずれも州の議会上下院の多数派と知事がすべて共和党だ。州を共和党が握っている。これらの州では、州として「選挙不正がなかったらトランプの勝ちだった」とか「民主党が選挙不正を行い、偽造票と正規票を見分けられず不正がない状態を判定できないので、一般投票は無効にせざるを得ない」と判断し、トランプの選挙人団に選挙人集会を開かせ、州知事の署名も添えて選出証書を連邦議会に送りそうだ。当然、民主党側は「冗談じゃない。勝ったのはバイデンだ」と言い、バイデンの選挙人団も同じ日に選挙人集会を開き、州知事の署名なしで選出証書を連邦議会に送るだろう。 (These Are The Nightmare Scenarios For The 2020 Election

事態は、修正12条の、複数の選出証書が送られてきた場合に該当していく。そして1月6日の連邦議会の両院合同会議で、4州から送られてきた2つずつの選出証書のどちらをとるかを議論して揉めた後、最終的に、憲法の解釈にのっとり、上院議長であるペンス副大統領が、4州のトランプ選挙人団の方を正当だと決定し、トランプが当選者になる。米憲法の修正12条には上院議長が決めると明記されていないものの、各州からの選出証書の開封と集計は上院議長が行うと定めており、開封と集計の際の各種の判断が上院議長に委ねられていると解釈できる。これと同じ事態は、1960年のケネディニクソンの大統領選のハワイ州で起きている(当時の副大統領だったニクソンは両院合同会議で、ハワイ州における自らの敗北を認める形でケネディを勝たせた)。 (1960 United States presidential election in Hawaii

現時点でネバダペンシルバニアノースカロライナジョージアの4州でまだ勝敗が確定していない。このまま両候補とも270人に達しないまま12月8日の選出証書の提出期限が過ぎ、その状態で1月6日の両院合同会議になると、過半数に達した候補がいない状態になり、修正12条の解釈に沿って、連邦議会下院での1州1票制の投票で大統領が決められる。1州1票制で計算すると現在、全米50州のうち26州が共和党優勢、22州が民主党優勢になり、トランプが勝つ。トランプは今年9月に、このパターンになって自分が再選される可能性があると支持者集会で語っており、裏街道の存在を把握している。トランプは再選後、今回の民主党の選挙不正を捜査検挙するだろう。 (Keep Your Faith – Trump Already Won

私が今回これらの裏街道の存在を知ったのは、米ハーバード大学の権威あるグレアム・アリソン元国防次官補がナショナルインテレストに書いた記事を見たからだ。「裏街道」という言い方も、アリソンの記事の題名「Stealthy Road」からもらった。「裏道」だと不正の意味が入る。これは立派な合憲なので「裏街道」にした。アリソンは、裏街道が現実になる可能性が今のところ20%しかないとも書いている。だが、彼は民主党エスタブであり、裏街道が現実化してトランプが続投する可能性が高い、とは口が裂けても言えない。私には、裏街道になる可能性が現時点で40%ぐらいに見える。その確率は今後、時間がたつほど増えていく。裏街道が現実になると、民主党左派は激怒して全米で延々と暴動を起こす。マスコミも怒号だらけになる。しかし合憲なので止められない。米国が大混乱する中でトランプが続投する。 (Donald Trump's Stealthy Road to Victory) (投票後に政権転覆・カラー革命の試みに転換する米大統領選

ここ数日、毎日無料記事ばかり出しているので、今回の記事は有料版にしようかとも思ったが、今回も、どうみても人類全体にとって大事な話だ。無料配信にせざるを得ない。有料版も購読している皆さんごめんなさい。少し長い目で見てください。まだまだ世界は不可解な激動を続けるので、良い記事を有料版で書きます。

 

 



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民主党の選挙不正

2020年11月6日   田中 宇

米国の大統領選挙は、民主党が開票時に広範な不正を行った可能性がしだいに濃厚になっている。ウィスコンシン、ミシガン、ネバダアリゾナペンシルバニアなどの州で、投票後の開票作業中だった現地時間の11月4日未明に、遅れて到着した郵送票の束を偽装して、偽造された大量のバイデン票が開票所に運び込まれ、それまでのトランプ優勢がバイデン優勢に覆された。各地の選挙管理委員会の要員はもともと共和党民主党の支持者が同数になるように設定されているが、11月3日の夜、いろんな理由をつけて共和党側の要員が開票所から追い出され、民主党側が開票を主導する態勢が作られた。そして郵送票の到着を装って不正が行われた。ウィスコンシン州では11月4日の午前4時に10万票が到着して開票され、そのすべてがバイデン票だった。この加算により、同州はトランプ優勢が覆され、バイデンの勝ちが宣言された。 (Voter Fraud in Wisconsin – Massive Dump of Over 100,000 Ballots for Biden All the Sudden Appear Overnight

この加算により、あり得ない現象も起きた。ウィスコンシンの最大都市ミルウォーキーの7つの投票区で、投票総数が有権者登録数を上回ってしまった。このことは地元のメディアも報道し、不正の可能性が濃厚であることが一時全米に知れ渡った。民主党が支配する選挙管理委員会は、問題のミルウォーキーの投票区の有権者登録数を修正し、投票総数の範囲内におさまるように事実を再調整した。 (OBVIOUS FRAUD: Seven Milwaukee wards reporting more votes than total registered voters) (UPDATED: Analysis: Five Milwaukee wards report 89% turnout in 2020 presidential vote; Biden nets 146K votes in city

ミシガン州デトロイトでも、11月4日の午前3時半に13万8千票の郵送票が開票所に届き、優勢がトランプからバイデンに代わり、バイデンの勝ちが確定した。ネバダペンシルバニアでも同様の不正の疑いがあり、トランプ陣営は開票作業の停止や再開票を請求した。だが、すでにマスコミ上で確定しているウィスコンシンやミシガンのバイデン勝利を覆すのは簡単でない。昨日の記事に書いたように、再開票しても偽造票を見分けられなければ意味がない。「投票用紙を作った国土安全省は偽造防止の透かしを入れているので見分けがつく」という説があるが、投票用紙を作っているのは連邦政府でなく地元の州などだ。偽造票を短時間で見分ける方法があるのかどうかわからない。 (TENS OF THOUSANDS OF BALLOTS Dropped Off in USPS Boxes at Detroit Absentee Ballot Processing Center at 3:30 AM After Election) (TRAP SET: Dept of Homeland Security controlled “official ballots” production

民主党の選挙不正は、インターネットの言説を支配するSNS諸企業や、マスコミもぐるであり「不正などない。トランプ支持者の妄想だ」という話だけが今後も流布する。不正を指摘するSNSの書き込みは消される。選挙不正が公式の話として認知されるのは簡単でない。そのため昨日の記事では、不正によってトランプの敗北が確定してしまうのでないかと悲観的なことを書いた。しかし、それから1日経ってみて、どうもそうでないようだという感じが出てきている。 (トランプの敗北?

私が注目したのは、マスコミが発表する開票速報が、バイデン264、トランプ214のまま止まっていることだ。バイデンは、あと6人とれば当選確実になる。残っている4州のうち一つ取ればよい。マスコミが勝敗を確定すると覆すのが困難になる。民主党とマスコミなど軍産側は、ネバダあたりの選挙管理委員会を急かせて不正票含みで開票を進めてバイデンの勝ちを確定するのが良い。しかし、どういうわけかそれは寸止めされている。

もしかして・・・と私が思ったシナリオは、民主党に不正をさせるのがトランプの仕掛けた罠でないか、というものだ。トランプ側は不正をしない。隠れトランプが大勢いる。民主党が不正をしなければトランプの勝ちになる。トランプは、夏前から郵送投票に反対しつつも阻止せず、民主党が今回のような不正をやるように仕向けた。不正が行われ、バイデンが今のようにもうすぐ勝つ状態になったところで、トランプは開票作業を止めさせた。バイデン親子の中国ウクライナからの贈賄について司法省から電話させれば、バイデンはとりあえず開票作業の一時停止に応じる。これが今だ。

今後、この膠着状態のまま時間がたつほど、民主党の選挙不正について詳細がわかってくる。トランプ傘下の諜報界は、民主党側にスパイを潜り込ませ、不正について何らかの証拠を握っている(証拠を握れる状態を作れなければ民主党に不正させない)。これは「おとり捜査」である。これから証拠がリークされていく。ロシアゲートの逆転劇に似ている。決定的な証拠がリークされる前後に、マスコミがネバダ州のバイデン勝利を確定し、バイデンの当選を発表するかもしれない。しかしそれと同時に民主党の選挙不正について決定的な証拠が暴露され、マスコミも選挙不正に協力してバイデン勝利を捏造していたことがバレていく。 (スパイゲートで軍産を潰すトランプ

このシナリオが成功すると、民主党だけでなくマスコミの権威も失墜させ、軍産の全体を潰せる。最終的な次期大統領はトランプになる。もう少しで勝てたのに、と悔しがる民主党左派は、全米で絶望的な暴動・略奪に走る。米国は混乱が続いて国際信用が低下し、経済も破壊され、軍産が最も望まない覇権の失墜になる。その中でトランプの2期目が始まり、米中分離や隠然多極化を進めていく。結局のところ、一昨日書いた記事のシナリオに戻っている。嘲笑してください(笑)。 (投票後に政権転覆・カラー革命の試みに転換する米大統領選

 

 



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タナカアキラは、バイデンのかちとみる

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トランプの敗北?

2020年11月5日   田中 宇

これは「投票後に政権転覆・カラー革命の試みに転換する米大統領選」の続きです。

昨日の記事でトランプが勝ちそうだと書いたのに、今日の記事ではトランプが負けそうだと書く。昨日の段階では、開票が残っていたほとんどの州でトランプが優勢だった。だがその後の24時間で、ワイオミングとミネソタがバイデンの逆転勝利が確定し、ネバダも優勢者がバイデンに代わった。ネバダの勝利が確定すると、この選挙はバイデンの当選になる。トランプは、ネバダを含む未決定の州のすべてに勝たないと当選にならない。郵送票の集計に時間がかかり、郵送分にはバイデンに入れた票が多いので、あとからバイデンが優勢になってきたと説明できる。トランプはこれに対し、民主党側が各地でバイデンの名前が書かれた郵送票の束を偽造して郵政公社の集配システムの中に紛れ込ませる不正をやっていると指摘した。 (Trump On Election Results: ‘We Will Be Going To The U.S. Supreme Court’) (Trump: 'Surprise Ballot Dumps' Behind Lead Changes; Arizona 'Sharpie' Malarkey Comes Into Focus

トランプ側も同じ不正をやれば良かったのだが、やらなかった。ペンシルバニアなどの州政府は、11月3日より後に届いた郵送票も開票の対象にすると決めた。トランプが勝ちそうだとわかった段階で、民主党側が、郵政公社の集配システムの中にバイデンと書いた偽造票の束を紛れ込ませ、正規の票のように見せかけて開票対象の中に入れれば、追跡もされず、劣勢だったバイデンがじわじわと優勢になっていく。だから民主党側は「すべての票を開票せよ」と主張し、バイデンは「時間が経てば優勢になる」と表明し、トランプは「開票をいったん停止せよ」と主張している。 (Trump Is Poised To Win The Election. Now He Has To Stop The Steal) (Dems Insist Biden Won The Election, Ready For All Legal Challenges

民主党側が選挙不正をやっても、マスコミは民主党支持なので調査もしないし報じもしない。広範な不正があっても暴露されず「事実」にならない(細かい不正だけ暴露し裁かれる)。米国の選挙は昔からいろんな方法で不正が行われてきた。手口の中にはなるほどと思える事実っぽいものも多かった。以前は、投票用と集計用のタブレットWindows CE)にソフトウェア的な裏口が設けていた。大学の先生がそれを指摘し、裏口を使った不正を実践してみせた。だが、この手の広範な選挙不正が公式に暴露されることはなく、いつも陰謀説として処理されてきた。巨悪は眠る。今回もそうだろう。 (不正が横行するアメリカ大統領選挙

米国の選挙は、投票する有権者でなく、開票する選挙管理委員会が(不正によって)勝敗を決める。そんな揶揄の記事も出ている。確かにそうだ。トランプからバイデンに優勢が替わったミシガン州デトロイト(都会なので民主党支持が多い)では、開票所の窓の外から共和党支持者たちが開票作業を監視ししていたが、選挙管理委員会が、窓に紙を貼って監視できないようにしてしまった。選挙管理委員会を支配しているのが民主党であることがわかる。偽造票の束を、開票所に持ち込むのでなく、郵便局の集配振り分け室に裏口から民主党支持者の郵便局員を通じて持ち込んで集配システムの中に入れてしまえば、簡単に不正ができる。選管が票の偽造に絡んでいるのだろうから、偽造票と正規票を見分けるのは困難だろう。 ("Those Who Vote Decide Nothing. Those Who Count The Vote Decide Everything...") (Detroit Ballot-Counters Board Up Windows, Block Republican Poll-Watchers

トランプ陣営はウィスコンシンでの再開票を求めているが、偽造票を見分けられない以上、開票作業をやり直しても結果は同じだ。ウィスコンシンは2016年の選挙でも再開票したが、結果は130票しか違わなかった。再開票は意味がない。トランプ陣営は、いくつかの州の開票について最高裁判所に訴えているが、裁判所は検討に時間がかかりすぎ、選挙結果を変えたり確定したりするのにふさわしい機関でない。それは、すごく膠着した2000年のブッシュvsゴアの大統領選の際に経験ずみだ。裁判所への提訴も意味がない。再開票も裁判所もダメだとなると、もうトランプには打つ手がない。不正が行われていたとしても、よっぽどの証拠をすぐ出せない限り、いったん確定した各州の選挙結果を変えることは困難だ。マスコミ各社がバイデン勝利を宣言した段階で、トランプの敗北が確定してしまう。マスコミは歪曲報道をしているが、歪曲を是正するには「別の事実」が必要だ。何が事実かを決める権限はマスコミが持っている。マスコミはトランプ敵視だ。 (Trump's narrow path to the Supreme Court) (Trump campaign to immediately request recount in Wisconsin

民主党には「暴動」という奥の手があった。トランプが勝ったら、大統領府の前など全米各地で民主党左派の組織が暴動を起こすことになっていた。11月3日に、その前哨戦のような小さな暴動が大統領府の前などで起きた。だが、それから1日経ってトランプが負けそうなので、暴動は拡大していない。次に暴動が再燃するとしたら、それはトランプが延々と敗北を認めなかった場合だ。BLMなど民主党左派の暴力集団は、大統領府を本格的に襲撃してトランプや側近を追い出すと言っている。民主党には、全米で手際よく暴動を起こせる強い暴力集団がいる。コロナ危機の初期から、彼らの「技能」の高さは有名だ。だが、トランプには同様の奥の手がない。マスコミは、トランプ支持者を「極右暴力集団」」と呼ぶが、彼らは少なくとも今のところバラバラな感じで、全米で手際よく暴動を起こした実績もない。トランプの支持者といえば、逆に、自分のトランプ支持を周りにも言いたくない「隠れトランプ支持」が多い。彼らが突然街頭に出て民主党の選挙不正を糾弾するかというと、多分しない。隠れトランプ支持者は闇から闇に消え、ノンポリに戻る。 (DC Police Confirm Stabbing Attack On 4 Trump Supporters Near White House

トランプはこの4年間で、軍産マスコミ民主党からかけられたロシアゲートの濡れ衣を跳ね返し、返す刀で諜報界の軍産支配を突き崩し、諜報界を牛耳るまでになっていた。だが諜報界は分散型のネットワークであり、軍産の勢力があちこちに残っている。彼らが今回の選挙でトランプに反撃し、かなり成功している。トランプは急速に劣勢になっている。何週間も続くと思われた選挙後の膠着状態と混乱は、数日でトランプが敗北を認めて終わる可能性が出てきた。バイデンは、勝利を前提に政権移行チームを結成したという。 (Biden Launches Presidential 'Transition Team', Trump Asks SCOTUS To Intervene

バイデン勝利とトランプ敗北が確定した場合、共和党ではトランプ支持の勢力が急に弱まり、それ以前の軍産エスタブの勢力が復活する。彼らは、バイデンやペロシといった民主党の軍産エスタブ勢力と合体し、超党派で米国の覇権体制を蘇生しようとするだろう。民主党は一枚岩でなく、中道派と左派の内紛が強まる。超党派の中道派(軍産エスタブ)が、民主党の左派を押さえ込めるかどうかが注目点になる。左派は、覇権や軍産エスタブ、金持ち支配を敵視しており、諜報界の別働隊でもある。エスタブが左派を抑え込めないと、かつて「文化大革命」が中国を自滅させたように、左派は米国を内側から自滅させていく。共和党では「ネオコン」も復活してくる。中露や同盟諸国は、以前のように米国の言うことを聞いてくれない。覇権の自滅はまだ続く。

今回の記事は昨日の反動で、かなり悲観的な書き方になった。今後の展開を見ながら修正していく。

 

 



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DMMからのメール

菅総理の所信表明その1 グリーンと50年温暖化効果ガスゼロの意味 2020年10月26日

菅総理が就任から40日経って、ようやく所信表明演説を行いました。
全文をざっと読んだ印象は、ほとんど中身がないということです。

その中で、唯一意味のある部分が、2050年カーボンニュートラル宣言です。その部分を抜粋します。
「菅政権では、成長戦略の柱に経済と環境の好循環を掲げて、グリーン社会の実現に最大限注力してまいります。
 我が国は、2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル脱炭素社会の実現を目指すことを、ここに宣言いたします。」

菅総理は、総裁選の公約でデジタル化の推進は掲げていましたが、グリーン関連の公約は有りませんでした。世界中が先進国のみならず途上国も含めて「デジタルとグリーン」の二本柱をポストコロナに向けた成長の牽引役としているのに、菅氏はこのことを全く理解していなかったようです。首相就任後も、出て来るのは、ハンコ撲滅、携帯料金値下げ、デジタル庁創設というデジタル化の話だけで、グリーンの話が出てきませんでした。

菅氏がいかに「環境音痴」なのかがわかります。
しかし、いつまでもそれを続けることが実は難しくなっています。

まず、世界中がグリーン、エコを合言葉に成長戦略を推進してるのに日本だけがそれをやらないことにより、日本企業は世界の中でビジネスができなくなりつつあるのです。
どういうことかというと、例えば、アップルは納入企業にグリーン化を求めています。自然エネルギーなどの活用で企業としてカーボンニュートラルを達成するように要求するのです。ところが、日本では再エネ電力を買いたくても、そもそも再エネの発電が少ないうえに価格が高く、さらにグリーン電力認証も遅れているため、日本に工場を置いておくとアップルの要求に応えることが非常に難しいという問題が生じてきました。
また、世界の機関投資家SDGs投資などの基準をどんどん厳しくしていて、日本企業にもその波が押し寄せてきています。
こうした状況に反応して、今や経団連企業の多くも再エネ関連の規制緩和を進めてくれと政府に要望し始めました。このため、菅政権としても、このまま手をこまぬいている訳に行かなくなったのです。

また、先進国が次々とカーボンニュートラルの実現時期を宣言する中、日本は50年80%削減しか約束していませんでした。日本だけがいつまでもゼロの目標年次を言わないことに対して、国際社会の批判が高まっています。
先日はついに中国までも60年ゼロの宣言をしました。もはや、日本が沈黙を続けるわけには行かなくなったのです。

昨年、小泉進次郎環境相が国連で大変な赤っ恥を書いたことは皆さんご記憶だと思いますが、最近コロナのせいで(本来はおかげでと言うべきか)これまで日本からは海外出張の時間調整ができずに閣僚などが参加しなかった国際会議にリモートで招待されて、断れなくなるケースが激増しています。
ところが、環境関連の会議に出席すると、世界各国が中国なども含めて、非常に先進的な取り組みを紹介するのに、日本だけが幼稚園のおままごとのような話しかできず、さすがに小泉大臣や梶山経産相なども恥ずかしくてどうしようもないという経験を繰り返さざるを得なくなっています。
自民党の政治家の間で、「これは恥ずかしい!」という思いが広がり始めたのです。

こうした会議などで勉強すると政治家も、日本の環境政策の劇的な立ち遅れに気付きます。そして、このままだと日本の産業は取り返しのつかない後れをとることになるということにも気付き始めたのです。
そこで、今頃になって、日本も環境政策で頑張らなければと思い始めました。

さらに、最後のとどめになりそうなのがアメリカ大統領選挙の情勢です。トランプ劣勢が伝えられ、もしバイデンが勝って民主党政権になれば、アメリカの環境政策が劇的に転換するのは確実です。
そのとき、アメリカでは日本と違いカリフォルニア州などの先進州では、日本よりはるかに進んだ環境規制を実施しているので、政府がプロ環境となった途端に、一気にこの分野で前に出て来る可能性があるのですが、日本は、それから慌てて舵を切っても、全くついていけないということになります。

以上のような情勢の中で、追い詰められた菅政権は、ついに「グリーン社会実現」という旗印を掲げざるを得なくなったのです。

それ自体は遅すぎるのですが、まあ、悪くはないという評価もできるでしょう。
しかし、所信の内容を見ると、暗澹たる気持ちになります。
50年に温室効果ガスを全体としてゼロにするというのは、多くの先進国が既に表明している目標です。全く新味は有りません。問題はその実現方法ですが、その中身が全くないに等しいのです。
先進各国は、例えば非常に厳しい排ガス規制と超過達成クレジット取引、炭素税、石炭火力禁止、排出権取引、厳格な住宅省エネ基準、新車販売助成における厳格なエコカー選別、ガソリン・ディーゼル車販売禁止年次の設定などの具体策を導入しているのですが、菅氏の所信には、全くこれらの具体的政策がありません。書かれているのは、こうした現実に直接的効果を生む規制やルールではなく、「次世代型太陽電池、カーボンリサイクルをはじめとした、革新的なイノベーション(技術革新)」という極めて不確実で全く痛みのないぬるま湯の政策だけです。これでは、まず50年ゼロは不可能と言って良いでしょう。

さらに、驚いたのは、「世界のグリーン産業をけん引し」というくだり。
日本のグリーン産業は世界から取り残されていることは会員の皆さんならよくご承知のとおりです。例えば、太陽光も風力も日本企業は世界のトップ10にも入れません。かつては世界トップと言われた再エネ産業も今はむかし。全く世界で歯が立たなくなっています。
電気自動車でもなんとか世界市場で競争できているのは日産だけ。トヨタはいまだに電気自動車を販売できない状況です。
自動車用電池ではパナソニックが断トツ世界一を誇っていたのですが、中国のCATLにあっという間に追い抜かれ、最近ではLG電子の追い上げにも遭っています。
電気自動車世界一位のテスラはパナソニック一社調達でしたが、ついにCATLなどの中国企業からの調達を始めてしまいました。

そして、もう一つ注意が必要なのは、ほとんど実現する道筋が描けていないのに、無責任に50年ゼロを唱えた理由です。
菅首相から見れば、「50年先のことなんか知ったことか」ということなのでしょうが、仮に、その道筋を厳しく問い詰められたら、原発をどんどん動かして足りなければ新設しますという伏線にもなっていることは明らかです。
また改めて投稿しますが、最近の再エネをめぐる状況は非常に厳しさを増しています。大手電力の圧力に負けた経産省が再エネの事実上の抑制策を推進しているかのように見えるのです。
その事実と合わせて50年ゼロの実現ということを考えると、原発推進という世論を喚起しようという意図はかなりはっきりしているという疑いをもたれても仕方ないでしょう。

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