しそうかのみるコロナ


                  Enviro-News from Junko Edahiro


                      No. 2754 (2020.06.12)

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世界の思想家たちが「コロナ危機をどうとらえるべきか」について、それぞれの考えを発表するようになっています。今回は、greenz.jpに掲載された世界的な思想家のサティシュ・クマールのメッセージを、greenz.jpのご許可をいただきお届けします。

(そして、末尾には、国立環境研究所の五箇公一さんのメッセージへのリンク、グリーンピース主催の五箇さんと私との対談のご案内もあります!


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新型コロナウィルスは地球からの声。思想家、サティシュ・クマールは語る。「この危機から私たちは何を学べるのか?」

英国「シューマッハ・カレッジ(Schumacher College)」創始者であり世界的な思想家であるサティシュ・クマール。
本稿は、サティシュ・クマールがカレッジの卒業生に届けてくれたコロナ禍におけるメッセージを、Economics for Transitionコースの卒業生である寄稿者が本人の許可を得て、日本語に訳しお届けするものです。

(本稿の簡易英語版HP)
https://www.resurgence.org/magazine/article5549-voice-of-the-earth.html?fbclid=IwAR1CzGBp1t0t__LzC1A0iXwCv0JAsEg3XTvG83_iMiC0xTqe4Sbic65gkHs


~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~


新型コロナウィルスは地球からの声 ~ この危機から私たちは何を学べるのか? ~ 世界へのメッセージ
サティシュ・クマール

今年2020年は新型コロナウィルスの年として人々に記憶されることとなるだろう。

太陽は輝き、花々は咲き誇り、鳥たちは囀る(さえずる)、そんな春の陽気の中であっても、ソーシャルディスタンスを取り、ロックダウンをし、ステイホームをする、2020年はそんな年である。

私は幸運にも、祈りの時間としての自主隔離を、黙想と内省をしながら過ごすことができた。ルーミー(13世紀のイラン詩人)とハーフィズ(14世紀のイラン詩人)の詩をよみ、シェークスピアの詩をよみ、ラビンドラナート・タゴール(19-20世紀のインド詩人)の詩をよんだ。

隔離という言葉を、キリスト教の40日間の断食と結びつけて思いに耽った。私にとってのこの隔離の時間は、自分と向き合う時間となった。

一方で、私は世界中に拡がる新型コロナウィルスの影響に心を配り、たくさんの痛みを目にし悲しんだ。人類は前例なき危機の中にいた。私は84歳となるが、人生を通じてこんなにも厳しい状況を経験したことはない。

コロナ禍は戦禍よりもひどい。戦争は人によりはじまり、人により制御または収束される。しかし、新型コロナウィルスは自然の力の表れであり、人類がコントロールできる域を越えている。

多くの人は科学や技術を通じ自然を征服できると信じている。しかし、自然を征服するというような話は、まったくの人間の傲慢であると、新型コロナウィルスを通じて自然は明瞭に伝えてくれているようだ新型コロナウィルスは人類の脆弱性の現実を私たちにはっきりと思い出させる。

自然を征服するという人間の欲望は、人間は自然から独立・分離しており優位な力を持つ、という考えから生じてきている。この二元論的思考は、森林火災、洪水、気候変動、地球温暖化や今回の新型コロナウィルスのパンデミックなどの自然界の大変動に、私たちがうまく対処できない根本にある考え方だ。私たちは、自然を征服できる技術的方法を見つけることができると信じているようだ。

生態学的に持続可能な農業を再生する

新型コロナウィルスの根本にある原因を見るよりも、政府や産業界や科学者は特定の病を避けるワクチンに目が行く。ワクチンはおそらく一時的な解決策にはなるが、私たちはより賢明に考え行動する必要がある。病に対しワクチンで予防接種し対処するばかりでなく、その病が起こる根本原因に目を向け取り組む必要がある。

ロウラ・スパイニー(Laura Spinney)というサイエンスライターは3月26日付けの英国・ガーディアン紙で 
「なぜ、動物由来の感染が近年加速しているのか?」
と問いかけ、
「ウィルスを私たちの生活域にもたらしたのは、政治や経済の力である。その力は、大規模農業の台頭と何百万もの小規模農家が限界を迎えている状況と関係している。それにより、コロナウィルスの宝庫ともいえる、コウモリが潜む耕作に向かない森にまで近づくことになった。」
と自身の問いに答えている。

新型コロナウィルスの原因に迫り解決をはかりたいなら、私たちは生態学的に環境が再生する農業に戻る必要がある。人間的規模(human-scale)で、地域に根ざし(local)、二酸化炭素排出量の少なく有機的な農業の方法である。

食べ物は商品(commodity)ではない。
農業は金融的利益のために動機づけられるべきものではない。
農業の最終的な目的とは、土の健康を損なうことなく栄養ある食べ物を生み出し、人々に健康的な食を届けることである。
お金儲けのための農業は直接的にも間接的にも新型コロナウィルスの原因を引き起こす。

加えて、私たちは自然の原理原則の中で自然と共生した暮らし方を学ぶ必要がある。人間はほかの生き物と同じく自然界の一部であり、それ以外の何者でもない。それゆえ、自然と共生し生きることは、私たち人類がこの危機から学ぶべき最初の教訓である。また、私たち、今を生きる世代の緊急の責務と言える。

2つ目の教訓は全ての人類の行動には必ずその結果が伴うということ。

過去何百年において、人類の活動は、生物多様性の減少、二酸化炭素や気候変動を引き起こす温暖化ガス排出の原因であった。人類の活動の影響で、海はプラスティックで汚染され、土は人工化学肥料で汚され、熱帯雨林は前例のないスピードで消滅している。

これらすべての人類の負の活動は、必ずなにかの破壊的な結果を生む。短期的には、津波や洪水、森林火災や今でいえば、新型コロナウィルス。長期的には、地球温暖化や気候変動として。

○今こそ目を覚ますとき

新型コロナウィルスによる危機を通じて、自然は強いメッセージを送っている。今こそ目を覚ますときであると。これ以上、環境汚染を広げることはできない、自分たちの行動による結果を無視することはできない、という合図だ。私たちは縁起(カルマ)の力があることを知っている、今このときにおいては、それは新型コロナウィルスという名のものだ。

現代の文明は無数の痛みを自然に与えてきた。そして今、私たちはその結果を収穫している。私たちは変わらないといけない。新しいパラダイムをつくりだすべき時が来たのだ。人々の健康を回復するために、私たちはかけがえのない地球の健康を回復しなければならない。

人々を癒やすことと自然を癒やすことは一つであり同一のことである。私たちは地球を癒やすためにできることに取り組んでいく必要がある。前向きなアクションのみが前向きな結果をもたらす。これは縁起(カルマ)の原理原則なのだ。

市場(Market)・お金(Money)・物質主義(Materialism)の三位一体は現代の人々のマインドセットを長年つくってきた。今こそ、私たちはゆっくりとした時間をとりもどし謙虚な気持ちをもって自然の声、地球の声に耳をかたむける時だ。私たちは古い三位一体を新しい三位一体、土(Soil)・魂(Soul)・社会(Society)に取って代える必要がある。

自然は、優しく寛容であり、温和で思いやりがある。そして、自然は全てが移り変わる。

だからこそ、人類はこの危機を前向きに対応し、農業、経済、政治システム、そして私たちの生き方をリデザインする機会とする必要がある。
手つかずの自然をリスペクトすることを学ぶ必要がある。
命のあふれる美しさと多様性を祝福することを学ぶ必要がある。
私たちは人類は分かち難き自然の一部であることを理解する必要がある。

私たちが自然に対しておこなうことは、私たちが私たちにすることと同じなのだ。私たちは自然と結びついており、互いに関連しあっている。新型コロナウィルスは私たちが相互に関係しあっていることを示している。私たちは相互依存しているのだ。私たちは、地球コミュニティのメンバーであり、一つの地球家族なのだ。

もしこの理解が、この世界観が、私たちの意識の不可欠なものとなり、社会を構成する規範となるのであれば、私たちはこれまでとは異なった優先事項と価値を持つことになる。あらゆる代償を払って追い求める経済成長の代わりに、人々の幸せと地球の健康が両立する成長を追い求めることになる。

○危機とは機会である

新型コロナウィルスの影響が去った後、従来通りに戻ることを選択肢の一つとすべきではない。このパンデミックが起こる前の社会は、強欲という名のウィルスによるパンデミックに支配されていた。強欲のために、森林や湖や川は枯れ、種は絶え、子ども達や貧しい人々、戦争被害者や難民は亡くなってきた。死と破壊は、強欲という名のウィルスのまぎれもない結果となってきた。

詩人であり小説家であるベン・オキリ(Ben Okri)は、3月27日付けの英国・ガーディアン紙で 
「本当の悲劇は、私たちがこのパンデミックを通じても良き変化を起こせないことだ。そうなれば、たくさんの死や痛みは意味のないものとなってしまう。」
と投稿した。

危機とは機会である。自然の進化の過程において、これまでたくさんの危機があった。生命はもがきながら長き時間をかけ進化を遂げてきた。誰にも分からないことであるが、この痛みを伴うパンデミックは、新しい意識を、命の調和の意識を、思いやりと分かち合いの意識を、愛の意識を生むことだろう。

私たちはこの新しい意識のいくつもの素晴らしい兆候を見ている。

医療従事者のみなさんは命をかけて新型コロナウィルスの被害を受ける人々を助けている。それらは無私の精神による行いの賞賛すべき事例である。

何百人何千人という一般の人々がNHS(National Health Service: イギリスの国民保健サービス)のサポートを自発的に続けている。

そして地域コミュニティにおける数え切れない数のヘルパーが高齢の方や病気をお持ちの方のケアを続けている。

イギリス政府でさえ、個人やあらゆるコミュニティ、チャリティ活動、ビジネスを助けるために、財政上の規則を一時無効にしている。そこには溢れんばかりの連帯、寛容、相互関係、相互扶助がある。人々は、帰属意識、多大なる感謝、無条件の愛を各方面から経験している。

同時に、ロシアは医療機器を飛行機に積み荷しイタリアに送り、中国はセルビアに送った。憎しみは忘れさられ、国々は、競争や闘争よりも相互扶助の精神に基づき、協働し手を取り合っている。

もしこのような精神的な質が異常時に実践できるのであれば、日常時においても可能ではないだろうか。もし私たちが日常時に共に助けあい、愛し、尊敬しあえるのであれば、異常事態が起こることは減るだろう。

このほとばしる人間性に加え、私たちは地球環境の汚染の減少や部分的な回復を見ている。

イルカたちがイタリアのベネチアの運河で見られたり、澄み渡った青空がインドのボンベイや中国の北京の都市で見られた二酸化炭素の放出は減り、人々は再びきれいな空気で呼吸することができる。私たちは異常時においてこのようなきれいな環境を経験できるのあれば、日常時においてもできないはずはない。

この新型コロナウィルスの危機が去った後、個々人やコミュニティや国々が共に愛しあうことを学び、環境に気を配り、新しい世界の秩序をつくっていくことを、私たちは望む勇気があるだろうか? インドの小説家アルンダティ・ロイ(Arundhati Roy)が言うには、
「歴史的に見てパンデミックは、人類を過去と決別させ、新しく世界を想像せざるを得ない状況に追い込んできた。」

世界各国における大小様々なロックダウンは、政府や企業や普通の人々が社会全体の健康という大きな善のために一丸となり、大きな経済的リスクをとれることを証明してくれた。

この経験は私たちに、自然と生物圏の健康を守るために大胆な行動をとることができる、という自信と勇気を与えてくれるはずだ。私たちは自然の樹木の枝に座っていることを忘れてはいけない。もし私たちが座っている枝を切ってしまえば、私たちは落ちてしまうのだ。

ポスト・コロナ時代、地球と人々の健康のため、さあ共に行動しよう。

<出典情報>
出典媒体名:greenz.jp / 新型コロナウィルスは地球からの声。思想家、サティシュ・クマールは語る。「この危機から私たちは何を学べるのか?」
出典URL:https://greenz.jp/2020/05/20/satish_kumar_covid_19/ 
ライター名:高野翔


~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~


このエッセイでも少し言及がありますが、環境と感染症の関連性について、国立環境研究所の五箇公一さんがコメントしています。ぜひ聴いていただけたらと思います。
新型コロナウイルス発生の裏にある“自然からの警告”」
https://www.youtube.com/watch?v=1g3Y36z772Q

この五箇公一さんと、6月30日(火)に対談させていただけることになりました。とっても楽しみです!

グリーンピース・ジャパンさん主催のウェビナー(Zoom)
生物多様性と地域経済の専門家が語り合う、これからの暮らし #こんな社会で暮らしたい』

詳細とお申し込みはこちらからどうぞ!
https://covid-ourfuturelife-crosstalk.peatix.com/view

コロナの後に来るもの

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永遠の都市閉鎖 vs 集団免疫

2020年6月8日   田中 宇

北欧スウェーデンの政府は世界でただ一国、新型コロナウイルスへの対策として、都市閉鎖・強制的な経済停止・外出禁止でなく、集団免疫へと誘導する緩い規制の政策をとり続けてきた。そのスウェーデンの(事実上の)集団免疫策を決めてきた政府のコロナ対策責任者のアンデルス・テグネル(Anders Tegnell)が6月4日、ラジオの番組に出演し、もう少し厳しい経済停止や外出禁止など、都市閉鎖の策を採っておけば良かったと表明した。各国政府の現時点までのコロナ統計を比較すると、人口100万人あたりのコロナ死者の人数がスウェーデンは462人で、828人のベルギー、597人の英国、580人のスペイン、561人のイタリアよりは少ないものの、44人のノルウェー、58人のフィンランド、102人のデンマークといった、周辺の北欧諸国よりかなり高い(死因の採り方を一定にできないので致死率の比較はあまり意味がないが)。スウェーデン以外のすべての諸国が、かなり厳しい都市閉鎖策をとってきた。スウェーデン周辺諸国と同様、都市閉鎖策をとっていたら、現時点までの死者数をノルウェー並みの5分の1ぐらいに抑えられたのでないか、と内外から批判されてきた。 (Swedish coronavirus chief concedes he'd change 'herd immunity' Covid-19 response) (Worldmeters Coronavirus

こうした批判に対し、スウェーデンのコロナ責任者テグネルは、周辺の欧州諸国がやってきたような都市閉鎖は過剰で不必要だとする従来の主張を崩さないまま、周辺諸国が採った過剰な都市閉鎖と、スウェーデンが採った寛容な政策(集団免疫誘導策)との中間ぐらいの政策をやるべきだったかもしれないと述べた。欧州では英国も、表向きは都市閉鎖策をやりつつ、スウェーデンよりさらに隠然としたかたちではあるが、集団免疫への誘導を意識したコロナ対策をやってきた。そして、1日あたりの新たな感染者数の増加分は、集団免疫への誘導を隠然も含めて全くやっていないデンマークやイタリアなどの多くの諸国が、5月以降減り続けて非常に少なくなったのと対照的に、スウェーデンでは6月に入って毎日千人の規模でむしろ感染者の増加幅が拡大している。隠然集団免疫の英国も、感染者の増加分は減っているものの毎日千人以上の感染増加となっている。スウェーデンも英国も、死者の増加幅は減った。だが、感染者の増加幅はそうでない。集団免疫策は、感染拡大をある程度容認してワクチンができる前に感染拡大を自然に止まらせる集団免疫を目指すものなので、当然ながら、感染者の増加幅は減りにくい。 (スウェーデンのコロナ統計) (デンマークのコロナ統計) (Has Sweden's COVID-19 Strategy Backfired? 

スウェーデン政府は以前、6月中に首都ストックホルムが集団免疫状態(抗体保有者が住民の6割以上)に達すると予測してした。だがその後、ストックホルムの抗体保有率について何も発表されていない。その一方で世界的に、抗体保有者の増加の速度がコロナ危機初期の予測よりかなり遅いことがわかってきている。どうやらスウェーデンでも抗体保有者の増加が予測より遅く、集団免疫に達するまでの時間が予想外に長くかかりそうな感じになってきた。今後も何か月か、毎日千人前後の新規感染者がスウェーデンで出続けるかもしれない。その一方で、4月から厳しい都市閉鎖をやった他の北欧諸国などは5月後半から新規感染者がとても少なくなり、一見するとコロナ危機が解決されてしまったかのようだ。スウェーデンの集団免疫策が失敗し、デンマークやイタリアなどの都市閉鎖策が成功したと言いやすい状態になっている。 (Spain has not reached 'herd immunity' as government study suggests 5.2% of population have caught and beaten coronavirus) (都市閉鎖 vs 集団免疫

新型コロナは当初、発症の重篤性は弱いが感染力がものすごく強く、感染しても多くの人は無発症だが、無発症の感染者から他の人に感染拡大し、人々が気づかぬうちに感染がどんどん拡大し、免疫力が低い人々が経路不明の感染を受けて発症し重症化してしまう、と言われていた。だが最近では「無発症者は他人に感染させない」という結論を出す専門家が各国で登場している。米英の専門家は「新型コロナの重篤性はどんどん下がっている。多くの人はウイルスが体内に入っても感染すらしない状態(無発症でなく無感染)まで、新型コロナの重篤性が下がっている」と言い出している。都市閉鎖策の効果があったので感染が拡大しなくなったのでなく、ウイルス自体の威力が低下したという話だ。この現象が、免疫保有者の増加の速度が思っていたよりかなり遅いことにつながっているのかもしれない。コロナの威力の低下が続くと、集団免疫の状態になる前に感染拡大が止まってしまうかもしれない。スウェーデンで、感染者の増加幅が減っていないのにコロナ死者の増加幅が減ったことも、ウイルス自体の威力の低下の話と連動している感じもする。 (Prof. Karl Friston: "80% Of Brits Not Even Susceptible To COVID-19") (COVID-19 Has Become "Less Prevalent" And "Isn't Making People As Sick", UPMC Doctor Says

ウイルス自体の威力が低下しているとしても、それを検証するのは困難だ。ほとんどの国は都市閉鎖策をやっており、感染者がほとんど増えなくなったことの理由が、都市閉鎖の効果なのか、ウイルスの威力低下の結果なのか判断できない。ウイルスの威力が低下しているのだとしても、各国は都市閉鎖をやめていくことができない。都市閉鎖をやめて感染が再拡大したら責任問題だし、マスコミを軽信してコロナに対する過剰な恐怖心を植え付けられてしまった大半の人々(哀れな被洗脳者たち)は、社会距離やマスク着用が全く無意味になっているとしても、かたくなに社会距離やマスク着用をやり続ける。とくに若い人々は、成長期の被洗脳が一生残る(だからこそ、子供たちは感染すらほとんどしないのに、医療的に無意味な休校が延々と続けられている)。大人たちは、子供たちを守ると言いながら、子供たちのこれからの人生を台無しにしている。 (新型コロナの脅威を誇張する戦略) (都市閉鎖の愚策にはめられた人類

ウイルスの威力が低下していようがいまいが、都市閉鎖をやった国々は、閉鎖の強度をやや緩和することはできても、閉鎖の全体をやめて経済や社会の活動をコロナ以前の賑やかさに戻すことは二度と(少なくとも今後10年近くは)できない。「いずれコロナ危機が終わったら・・・」と人々は言うが、そんな時はずっと先まで来ない。都市閉鎖によって、現在のコロナの危険性を測ることが不可能になり、測定不能なので永遠に都市閉鎖をやらねばならなくなっている。「都市閉鎖をやめて、人が死んだらどう責任をとるのか」と率先軽信者に言われたら、みんな黙ってしまう。「都市閉鎖によって、コロナ以外の病気や経済苦で無数の人が死んでいくことにどう責任をとるのか」と、率先軽信者に言い返す人はいない。世界的に、都市閉鎖策は「永遠の都市閉鎖策」として確立した。 (Evidence piles up that Sweden may be on wrong path

「間もなくワクチンができる。都市閉鎖はそれまでの政策だ」という見方があるが、これも不確定なトンデモ話、陰謀論だ。ワクチン完成までには何年もかかるし、副作用がないものが完成したとしても、効く人と効かない人が出てくる不完全なものになる可能性が高い。ウイルス変異の可能性もある(変異したらワクチンだけでなく集団免疫も作り直しかもしれないが)。傀儡軽信筋は「抗体ができても免疫があるとは限らない」という不確定な話を流布するが、「ワクチンができても全員に効くとは限らない」という話はしない。 (コロナ危機に関する私の認識のまとめ) (Corona2 econwar2 500 Doctors Write To Trump Warning Lockdown Will Cause More Deaths

私から見ると、永遠の都市閉鎖策は、トランプに乗っ取られた米国の軍産複合体(諜報界、外交界、学界、マスコミなど権威筋。覇権運営層)が意図して世界にやらせている策略だ。軍産は、都市閉鎖の愚策を世界に強要するため、都市閉鎖のライバルである集団免疫策をマスコミや権威筋に思い切り誹謗中傷・攻撃させて潰した。スウェーデンは軍産の強要に抵抗して都市閉鎖をやらず、集団免疫を続けたが、他の北欧諸国より致死率が高いことをさんざん非難され、スウェーデン政府のコロナ担当者が自己批判せざるを得ない状況まで追い込んだ。即座に世界のマスコミは、鬼の首をとったように集団免疫策に「大失策」「人殺し」のレッテルを貼りつけ、スウェーデンの野党は集団免疫策を採った政府責任者に殺人容疑の刑事罰を与えるべきだと言い出した。 (Herd immunity strategy proves unsuccessful

スウェーデンの担当者が「都市閉鎖はやりすぎだが、その半分ぐらいの厳しさの規制をやるべきだったかも」と発言したのに呼応するかのように、隣国ノルウェーの首相(Erna Solberg)が6月3日に「わが国の都市閉鎖は厳しくやりすぎたかも」と自己批判の発言をしている。この相互の自己批判は、これまで集団免疫と都市閉鎖という両極を進んできたがゆえに相互の人的交流を断絶し続けねばならなかったスウェーデンノルウェーが、相互に半分ずつ歩み寄る自己批判をして、これから人的交流を再拡大(北欧のトラベルバブルにスウェーデンを加入)できるよう道筋をつけたものと考えられる。だが、世界のマスコミ(と、軍産うっかり傀儡の軽信者たち)は「スウェーデンが集団免疫の失敗を認めた」ことだけを喧伝し、集団免疫だけに大失敗の烙印を押してご満悦だ。コロナ危機では、多くのことが歪曲されている。 ('Was it necessary?': The PM who regrets taking tough coronavirus lockdown measures

ウイルス自体の威力が低下して集団免疫に達する前に感染拡大が自然に止まってしまうのであれば、集団免疫を目指すのも愚策だったことになる。感染拡大の抑止をもう少し強めるべきだった(そうすれば累計死者数を減らせた)というスウェーデン政府の担当者の自己批判に現実的な意味があるとすればそこだ。だがその一方で、感染拡大が自然に止まるとしても、都市閉鎖はやめられないし、都市閉鎖下では感染拡大が自然に止まったかどうかの検証もできない。加えて都市閉鎖は、通院入院不能による他の病気での死者の急増、恒久的な大恐慌と貧困急増、米国での永遠の暴動の継続と覇権喪失など、コロナ以外の部分の愚策性がひしめいている。米国は今後、民主党が知事の諸州で警察の解体や予算減が行われ、警察力の低下の中、各地の暴動が極左と極右の武装闘争に発展し、内戦になっていく。米国の内戦は、コロナの都市閉鎖策が原因だ。米経済はますます破綻する。金融相場だけ連銀のQEで上がり続ける。都市閉鎖の諸国の経済成長はマイナスだが、スウェーデンが先日発表した1-3月の経済成長は年率換算でプラス0.4%だった。 (米国の暴動はコロナ愚策の都市閉鎖が主因) (Sweden’s economy actually grew in the first quarter after it opted against a full virus lockdown) (Minneapolis Mayor Loudly Booed, Subjected To 'Walk Of Shame', After Refusing To Abolish Police Department

プロパガンダの力を使って都市閉鎖を正当化し、集団免疫を攻撃誹謗する軍産傀儡軽信筋の動きを見ていると、同じ軍産筋が2003年の米軍イラク侵攻時に「政権転覆による中東民主化」を正当化し、イラク占領の失敗予測や開戦大義イラク大量破壊兵器保有の濡れ衣)への疑問を表明する人々を攻撃誹謗していた時とよく似ていると感じる。米軍は簡単にイラクを政権転覆し、まもなくイラクは自然に民主化して素晴らしい国になるとマスコミが喧伝し、みんなそれを軽信していた。これは「都市閉鎖でウイルスを撃退し、まもなくワクチンが完成して世界経済は以前の繁栄に戻る」という喧伝・軽信と構造的に同じだ。実のところ、イラクは占領と市民殺害の泥沼に入り込んで何年も続き、イラクの人口の5%にあたる100万人が殺された。都市閉鎖もこれから世界大恐慌と米国内戦の泥沼に入り込んで何年も続き、最終的にコロナで死ぬ人の何十倍もの人が、貧困などで死んでいく。そしていずれのケースでも傀儡筋は以前に自分たちが軽信したことをきれいさっぱり忘れ、次の軽信に移っていく。 (911とコロナは似ている

 

 



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ハンコは漢字?

ハンコは漢字かなー。かな印は、むずかしい。漢字で二文字、名のみとすれば、よかった。ヨコみぎから。18ミリチタンがもったいない。せっかく1000円でできるのだから、活用を、こころがけよう。ハンコは、漢字かなー。もったおもさは、なかなかいい。つくってから年数がたつと、またちがった見方ができるようになるので、しばーらく、このまま、ときどきおしてみよう。