勝間和代さんのコロナ

ありとあらゆることの価値観が変わる数ヶ月

登録日:2020/03/29


3月29日 日曜日

こんにちは、勝間和代です。

この数ヶ月でこれまで当たり前だと思っていたことが何もかもがどんどん当たり前ではなくなっていきます。

通勤とは何か、オフィスとは何か働き方はどうあるべきか、家族と仕事との優先順位はどうなのか、外出というのはどのような意味があるのか、人が集まるというのはどういうことなのかさまざまなことに疑問を投げかけられ続けていると考えます。

もちろんそこに一つの答えがあるわけではありませんが、私もひとつひとつしっかりと考えていきたいと思います。

実は、私は1年半ぐらい前に、去年の11月に別れたパートナーが当時選挙に出るということでこれまでどおりの働き方ができなくなると考え、物理的な移動を伴う講演や、時間制約があるメディア出演をほぼゼロにして、ありとあらゆることをなるべく自由に家やその他の場所でリモートでできる体制を整えていたので、まさかその1年後に、こんなにその体制が役立つとは思いませんでした。

また、自炊に凝りだしてもう長くなりますが、昨日も書きましたが、家でおいしいご飯を食べられるのはほんとうに、ストレスフルなこの時期において幸せを感じます。

ほんと、何が人生の転機になるのか、役立つのかはその時にはなにもわからないことだとつくづく感じます。


                  Enviro-News from Junko Edahiro


                      No. 2740 (2020.03.28)

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新型コロナウイルスの感染拡大が続いています。当初は「春には好転するだろう」という声も多かったですが、実際にはかなりの長期戦となりそうです。

今週末は東京などで「外出自粛要請」が出されています。海外ではより厳しい外出規制や封鎖を行っている国も増えています。感染の拡大を防止するためには必須の手立てです。「外に出ない」以外に、いま大事だと思うことを5つお伝えしたいと思います。

(1) Stay Healthy(体力・免疫力を保とう)
新型コロナウイルスに対しては、現時点ではワクチンもなければ治療薬もありません。私たちにできることは、「かからないよう、気をつけること」は当然ですが、もうひとつ大事なことが「たとえ感染しても症状が軽くてすむよう、免疫力や体力を高めておくこと」です。

・十分な睡眠時間をとる

・十分な栄養をとる

・室内にこもりがちでも、できるだけ運動やエクササイズをする
ヤカンやペットボトルに水を入れれば、ダンベル代わりに使えます!
可能ならウォーキングに出ましょう。室内でも歩き回りましょう

腹式呼吸を練習する

先日、白隠禅師の松蔭寺を訪問した際、案内してくださった門跡の方が「白隠禅師は自分が禅病から立ち直るために呼吸法を編み出し、多くの修行僧やはやり病に苦しむ人たちを救われました」という話をしてくださいました。現代のはやり病に負けないためにも!

(2) Stay Positive(ポジティブな気分でいよう)
こういう状況なので、どうしても暗いニュースや数字ばかりが飛び込んできます。これまでのように外に出たり、人と会ったり、ジムへ行ったり、ということもしにくい状況です。

そんな中、元気がなくなったり、落ち込んでしまったり、あきらめや無力感が出てきたりするかもしれません。そうやって、自分のエネルギーが低下してしまうと、ウイルスに負けてしまう可能性が高まります。「ふだんどおり」とは異なる大変な状況がつづくのは事実ですが、人間は多くの場合、置かれた状況に関わらず、ポジティブでいることも選べます。選んでください!

そのために私が気をつけていること:

・自分が受け取る情報を自分でコントロールする
テレビやネットからは気が滅入るような情報やストーリーが流れつづけています。ただその情報流にさらされていては、ポジティブな気分にはなりにくいでしょう。私はテレビを持っていないので、受け身で情報の流れにさらされるということが少ないですが、それでも、ネットで状況をチェックする時間や回数を決めるなどして、情報が勢いよく流れてくる蛇口を自分で開いたり閉じたりするようにしています。

・ポジティブなニュースを探す
大変な状況のなかにも、心温まるストーリーや元気をもらえる取り組みがいっぱいあります。ネガティブなニュースの陰に隠れがちですが、そんな「素敵だなあ、いいなあ」と思うストーリーや取り組みの情報を探しましょう。見つけたら、周りの人や知り合いにもシェアしましょう。

(3) Stay Connected(つながりを保とう)
それぞれが外に出にくく、会ったり話したりしづらい状況です。「Social Distancing」と呼ばれています。Distanceは「距離」、社会的に距離を置く、ということです。これを、「Physical Distance, Social Solidarity」と言い換えよう!と言っている海外の団体もあります。物理的には距離を置くけど、社会的には連帯していよう!ということです。

幸い、ネットがこれだけ発達しているので、物理的な距離は保ちつつ、お互いにつながっていることはできます。内にこもって閉じてしまわないで、社会とのつながりを保ちましょう。

・メールやSNSなどで知り合いに声を掛けてみる

・年配の方などはソーシャルメディアではつながりにくいので、電話を掛けてみる、近所の高齢者のおうちにちょっとようすをみに行って声を掛けてあげる

・地域などで特に困っている方がいれば、可能な範囲で、助け合う

(4) Stay Thankful(感謝の気持ちを忘れずに)
今この瞬間も、感染者の命を救おうと、感染を食い止めようと、必死に頑張ってくれている医療従事者がたくさんいます。外に出にくい人々のために、食べ物や生活必需品を配送してくれている人たちもたくさんいます。ほかにも、私たちには見えないところで、知り得ない方法でこの状況の悪化を何とか食い止めようと、命をかけて尽力してくれている方々もたくさんいます。本当にありがたいことだと思います。

・機会があれば、感謝の気持ちを伝える

・直接の機会がなくても、心の中でお礼を伝え、無事を祈る

(5) Stay Focused(大事なことは考え続けよう)
どうしても気が散ってしまう状況かもしれませんが、「今はコロナで大変だから、それどころじゃない!」という魔のささやきに負けずに、大事なことは大事なこととして考え続けること。

気候変動だって、海洋プラスチック汚染だって、貧困の連鎖だって、コロナウイルスの間「休戦」してくれるわけではありません。逆に、コロナウイルスのために、状況がさらに悪化していくものもあります。

・「本当に大切なものは何なのか?」「今回の危機が去ったのち、どういう社会や地域になっていってほしいのか?」を考える。考え続ける。

・まわりの人たちと話してみる。これまで社会や環境の問題に関心がなかった人も、今回の状況に「このままではいけないのでは」と思い始めているかもしれません。


(1) Stay Healthy(体力・免疫力を保とう)
(2) Stay Positive(ポジティブな気分でいよう)
(3) Stay Connected(つながりを保とう)
(4) Stay Thankful(感謝の気持ちを忘れずに)
(5) Stay Focused(大事なことは考え続けよう)

以上、私がこの状況下で大事だと思っている5つのことをお伝えしました


今回のコロナ危機が経済に与えている悪影響を払拭するため、「常態とは異なる」金融政策や経済政策がとられようとしています。人々の雇用や生活、企業を守るためには必要な政策なのだと思います。

しかし、私が今いちばん恐れていることは、いったん危機が去ったら、ほとんどの国が、企業が、猛烈な勢いで「経済成長」アクセルを踏むであろうことです。その加速をもたらしうるガソリン(資金)が十分に供給されているとしたら、このことが地球環境にもたえす悪影響は計り知れないほど大きくなるのではないか。

「その先」にどのように持続可能な社会や経済を描いておけばよいのか? 
今回の危機を、地域のレジリエンスを高めることにつなげるには、どうしたらよいのか?

毎朝ラジオ体操をし、窓を開けて外の空気とお日様に触れるようにし、呼吸法を練習しつつ、そんなことを考えています。そして、世界のあちこちに、同じようなことを考えている人たちがいっぱいいます。そういう人たちの考え方や取り組みなども随時お伝えしていけたらと思っています。

Stay healthy and connected!