気候ネットワークから


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■ ■ ■ ■ ■ ■■■  気候ネットワーク メ-ルマガジン
■■  ■ ■■  ■  ■ 「Hot Talk Now!?(ほっとくの)温暖化」
■ ■ ■ ■ ■ ■■■  第248号(2020年3月16日発行)
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         「市民のチカラで、気候変動を止める。」
           気候ネットワークより月2回
       地球温暖化問題を巡る最新情報をお届けします。


気候ネットワーク主催の行事・イベントについては、新型コロナウイルス(CO
VID-19)感染拡大の防止という観点から、当面の間、原則、延期あるいは中止
とします。現時点で、内容変更・延期・中止となるイベントはこちら
<https://www.kikonet.org/event/2020-02-26>をご覧ください。
(随時情報を更新していきます)


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■ 政府・国会・NGOの動向
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●未来投資会議にて、エネルギー政策の方向性を議論
 5日、日本経済再生に向けて未来への投資を議論する未来投資会議の第36回
会合が開催され、サプライチェーン・観光等(新型コロナウイルスを踏まえた)
と共に、環境・エネルギーを議論していくことが示された。環境・エネルギー
については、エネルギー政策の方向性を大局的な見地から議論するため、同会議
の下に、新たな会議体を立ち上げる。環境・エネルギーとしているが、同日提示
された論点は、エネルギー・セキュリティがメインとなっており、気候変動問題
への対応が注視される。
<http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/index.html>


環境省、グリーンボンド等に関するガイドラインの改訂と策定
 10日、環境省は国内におけるグリーンボンド・グリーンローン等の更なる普
及のため、「グリーンボンドガイドライン2020年版」、「グリーンローン及び
サステナビリティ・リンク・ローンガイドライン2020年版」を策定した。また、
ガイドライン骨子案に対する意見募集の結果についても公表した
<https://www.env.go.jp/press/107803.html>


●東電・中電・関電エリアでも「接続可能量」を算定
 10日、経済産業省は「新エネルギー小委員会・電力ガス事業分科会電力・
ガス基本政策小委員会・系統ワーキンググループ」を開催(書面開催)し、東
京電力、中部電力関西電力の、いわゆる中三社の管轄において、再生可能エ
ネルギーの「接続可能量(30日等出力制御枠)」の算定を進める方針を示した。
再生可能エネルギーの接続量が増える中、出力制御を可能な限り回避するた
め、設備形成や運用面での対策などを進めていく。
<https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/shoene_shinene/shin_energy/keito_wg/025.html>


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■ 国際動向
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IPCC、第6次統合報告のアウトラインが合意
 2日、環境省は、気候変動に関する政府間パネルIPCC第52会総会の結果を
webサイトで公開した。2月24日~28日、パリで開催されたIPCC第52会総会に
おいて、2022年5月に公表予定の「AR6 統合報告書:気候変動2022」の章立てが
合意された。
<http://www.env.go.jp/press/107749.html>


●欧州気候法案公表、2050年ゼロ法制化
 4日、欧州委員会は「気候法(Climate Law)」案を発表した。2050年までの
気候中立(二酸化炭素排出実質ゼロ)の法的拘束力のある目標を盛り込んだ
「欧州グリーン・ディールの核」となる政策である。気候法案には、各加盟国の
「省エネや温室効果ガス排出削減、再生可能エネルギー導入などの目標・政策
を定める国家エネルギー・気候計画」のガバナンス手続きや欧州環境庁の定期
報告などに基づき、目標達成に向けた進捗を管理し、施策を調整するための措
置が盛り込まれた。
<https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/IP_20_335>
<https://www.jetro.go.jp/biznews/2020/03/5cafc4dcfaca8987.html>


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■ 科学動向
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●気候危機で世界の砂浜が消滅の恐れ
 2日、世界の砂浜の半数が、気候変動による洪水や人為的な原因で今世紀末ま
でに消滅する恐れがあるとの研究論文が、Nature Climate Changeに掲載され
た。2つの気候変動シナリオの下で発生する今後の浸食状況を予測したところ、
RCP4.5と呼ばれるシナリオでも2100年までに海面は50cm上昇、海岸線は平均
で86.4m後退するとなっている。
<https://www.nature.com/articles/s41558-020-0697-0>
<https://www.theguardian.com/environment/2020/mar/02/world-sandy-beaches-disappearing-due-to-climate-crisis-study>


●大気汚染は最も有害なヘルスリスク、寿命約3年縮む
 3日、ドイツのマックスプランク研究所が、大気汚染による死者数は、喫煙や
感染症、紛争などによる死者数よりも多いと発表。2015年には大気汚染が原因
で世界で880万人が早期死亡し、2.9年寿命が縮んでいた。この研究は世界規模
で大気汚染の人間の健康への影響を他のリスクと比較した初めての調査報告と
して発表された。大気汚染による死亡の約3分の2は人為的な理由によるもので、
主に化石燃料の使用で排出されたものと指摘。大気汚染がなかった場合は、
およそ年間550万人の死亡は防げることができたとしている。
<https://www.mpg.de/14551937/air-pollution-health-risk?c=2249


●アマゾン熱帯雨林「限界点」迫る、超えれば50年以内に消滅
 10日、世界で最大かつ最も豊かな生態系を誇る南米アマゾン(Amazon)の熱
帯雨林が、いったん超えてしまえば50年以内に乾いた草原と化す「限界点」
近づいていると指摘する研究論文が学術誌「ネイチャー・コミュニケーションズ
(Nature Communications)」に発表された。科学者らの推定によると、森林
面積の35%が失われれば、最終的な消滅につながるとみられている。論文に
よると、アマゾンの生態系は早ければ来年にも、限界点を超える可能性がある
という。
<https://www.nature.com/articles/s41467-020-15029-x>


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■ 地域動向
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●中部電と東邦ガス、愛知県岡崎市と新電力会社設立
 9日、愛知県岡崎市は株式会社NTTファシリティーズ、中部電力株式会社、
東邦ガス株式会社、岡崎信用金庫との共同出資により、市内におけるエネルギ
ーの地産地消および低炭素化の実現を目的とした地域電力小売会社「株式会社
岡崎さくら電力」を設立した。岡崎市が51%、東邦ガス中部電、NTTファシリ
ティーズがそれぞれ15%、岡崎信用金庫が4%出資する。東邦ガスの永田和之・
三河支社長が社長に就任した。
 新会社では、岡崎市のごみ処理施設「中央クリーンセンター」バイオマス
発電設備等で作られた電気を岡崎市の公共施設に供給することで、二酸化炭素
排出量を削減するとともに、エネルギーの地産地消の実現による地域経済の活
性化に取り組む。
<https://www.city.okazaki.lg.jp/photo/p025865.html>


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          ◆◇◆気候ネットワーク活動報告◆◇◆(2020.3.2~2020.3.15)
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「Don’t Go Back To The 石炭!」サイト更新情報]
 <http://sekitan.jp/
・【更新】『石炭火力発電所ウォッチ』更新情報(2020年3月2日)


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 ■イベント案内(内容が延期・変更しております)■
<https://www.kikonet.org/event/2020-02-26>
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<他団体主催>
【岡山】
【WEBセミナーに変更】
■COP25マドリード会議報告会【岡山】
日時:2020年3月20日(金・祝) 14:00~16:00
内容:COP25に参加したメンバーが、マドリード会議の重要なポイントに加え、
参加者にしかわからない現場の空気、交渉のダイナミズム、日本への影響に
ついてたっぷりとお伝えします。また、実際に岡山で活動されている方にこれ
までの取り組みとこれからの課題についても話題提供していただきます。
参加費:無料(要事前申込)
主催:Climate Action Network Japan (CAN-Japan)、認定NPO法人おかやまエ
ネルギーの未来を考える会
詳細:<https://www.can-japan.org/events-ja/2695>


【東京】
【勉強会はYOUTUBE放映に変更】
■横須賀石炭火力発電所行政訴訟第3回期日・勉強会
裁判日時:3月23 日(月)14:00
(13:10頃より傍聴券抽選(13:30~)のための整理券の配布があります。)
勉強会日時:3月23 日(月)15:00頃~ (開場14:30)
裁判会場:東京地方裁判所 103号法廷
    (東京都千代田区霞が関1-1-4)
勉強会会場:日比谷図書文化館大ホール  → 小ホール(変更)
    (東京都千代田区日比谷公園1-4)
内容:裁判にあわせて、この裁判の論点や気候変動問題や石炭火力発電所建設
をめぐる動向についての勉強会も行います。
1.勉強会「海の中から地球が見える」
  武本匡弘さん(プロダイバー・環境活動家・横須賀石炭訴訟原告」
2.報告会「第3回期日報告会と今後の論点」
  久保田明人 弁護士 (横須賀石炭訴訟弁護団
参加費:無料
お問い合わせ:横須賀石炭火力発電所訴訟原告団事務局
詳細:<https://www.kikonet.org/event/2020-03-23>


【北海道】
【開催延期(開催時期未定)】
■シンポジウム「炭鉱の町・釧路から地球温暖化を考える」
日時:2020年3月28日(土) 13:30~16:30
会場:釧路市生涯学習センター・まなぼっと幣舞 705/706(90名)
(〒085-0836 北海道釧路市幣舞町4-28)
内容:釧路は、自然豊かに恵まれた環境であり、一方で石炭採掘でも一大産業
を築いてきた都市です。石炭がもたらす気候変動問題や大気汚染問題は世界的
にも大きな課題です。本シンポジウムでは、石炭がもたらす様々な影響を考え
るとともに、世界で今何が起きているのかを知り、今後私たちがどのような社
会を描いていく必要があるのかを考えていきたいと思います。
参加費:無料
主催:釧路火力発電所考える会
協力:気候ネットワーク、北海道グリーンファンド
後援:環境省北海道環境パートナーシップオフィス、公益財団法人北海道環境
財団、NPO法人北海道市民環境ネットワーク「きたネット」
詳細:<https://www.kikonet.org/event/2020-03-28>


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◆気候ネットワークは、地球温暖化問題に取り組む環境NGOです。
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 <私たちはめざします>
○人類の生存を脅かす気候変動を防ぎ、持続可能な地球社会を実現すること
・世界の温室効果ガスを実質ゼロにする国際的なしくみをつくる
・日本での持続可能な脱炭素社会・経済に向けたしくみをつくる
化石燃料原子力に依存しないエネルギーシステムに変える
・市民のネットワークと協働による脱炭素地域づくりを進める
・情報公開と市民参加による気候政策決定プロセスをつくる


活動は皆様のご支援に支えられています。ご入会・ご寄付等のご支援をどうぞ
よろしくお願いいたします。

ご入会手続きは、ホームページからもできます。
【年会費(一口) 正会員・賛助会員:5,000円、学生会員:2,000円】
<https://www.kikonet.org/support/individual/member-form>

ご寄付についてはこちらから。
<https://www.kikonet.org/support/individual/donation>


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