枝廣淳子さんから

この報告書SPMから、私なりの大事なポイントを抜粋します。

○すでに以下の変化が観測されている
・雪氷圏の広範に及ぶ縮退(氷床及び氷河の質量の消失、積雪被覆の減少、北極域の海氷の面積や厚さの減少、永久凍土における温度の上昇)
・世界全体の海洋の温度上昇
・海洋は気候システムにおける余剰熱の90%を超える熱を取り込んできた
・海洋の昇温速度は、993 年より2倍を超えて加速
・海洋熱波は、1982 年から頻度が 2 倍に増大
・海洋がより多くの CO2 を吸収することでの海面の酸性化
・世界平均海面水位は加速化して上昇

○これらの変化は、すでに生態系やコミュニティの人々にさまざまな悪影響をもたらしている

○今後も温暖化に伴うさまざまな変化が継続・悪化すると予測され、場合によっては先例のない状態に移行するものもあると考えられる

○その変化の速度と規模は、温室効果ガスの排出量が高いシナリオに比べ、低いシナリオでは小さくてすむものが多い。
(たとえば、海面水位の上昇は、高排出シナリオでは今後数世紀にわたって数メートル上昇すると予測されるが、低排出シナリオでは2300 年に1m 程度に抑えられる)


大事なポイントは最後のところです。残念ながら、今後も望ましくない方向への変化がつづくと予測されます。今回の台風19号もニュースでは「数十年に1度」と言っていますが、数十年を待つことなく、こうした強大な台風が頻繁に発生するようになってしまうでしょう

しかし、その変化の速度と規模に影響を与えるのは、「私たちがどれほどの温室効果ガスを排出しつづけるか」です。一人ひとりが省エネをすればするほど、国のエネルギーが石炭火力から再エネへの移行を早めれば早めるほど、将来の悪影響を軽減することができるのです!