枝廣淳子さんのメールから
Enviro-News from Junko Edahiro
No. 2679 (2019.03.06）
******************************
昨年4月からお手伝いしてきた熊本・
先月末に、町で「共有ビジョンと産業連関表の発表会」
る多くの町民の皆さんが参加してくださいました。
今回発表した共有ビジョンは「
の委員の方々が中心となって作り上げたものです。
た南小国町のめざす姿は、
のような役割を果たすことになります。
具体的なビジョンの中身と、
ましょう。
まずは共有ビジョンの中身です。南小国町では、清らかな里、「
町のキャッチフレーズにしています。
す。今回は、委員の発案で、この「きよらのさと」となるように、
を表現することにしました。
～～～～～～～～～～～ここから引用～～～～～～～～～～～～～
http://www.town.minamioguni.
南小国町共有ビジョン
～「きよらの里」を次世代に引き継いでいくために～
平成３１年２月２６日
「き」 (自然・里山・循環)
築いてきた美しい里山の景観、伝統文化、
「よ」 (暮らし・幸福度・つながり)
寄り添い支え合い、人と人のつながりを大切にし、
多様な生き方を尊重しあえる里
「ら」 (安心・安全)
ライフラインを充実させ、地域全体で協力し、
せる里
「の」 (人づくり・教育)
のびのびと学べる環境の中で、
「さ」 (エネルギー)
再生可能エネルギーを地域資源から生み出し、有効活用し、
豊かな暮らしを実現する里
「と」 (産業、ローカル・グローバル)
共に連携し、世界とつながり、
～～～～～～～～～～～～～～引用ここまで～～～～～～～～～～
そもそも、
のでしょうか？
それは、このような認識です。
不安定で不確実な時代に、
芯」となるビジョンを町全体で共有することが必要となる。
である。そのビジョンを町民が主体となってつくることで、「
うありたいか」を繰り返し問いながら、動きや変化を生み出す町・
持続可能なまちづくりを進めることができる。
町長からの委嘱を受けた町民・
たのは4月でした。10回の委員会と、先進地域視察、
のプロセスを経て、このたび完成したものです。
計・コーディネート・ファシリテートを担当しました。
共有ビジョンづくりのプロセスの基本として、
（１）未来のありたい町の姿を描く(バックキャスティング)
（２）つながりをたどって、ありたい姿を実現する「好循環」
り思考・システム思考)
（3）独りよがりではない町のあり方を考える（SDGs：
各回の内容を紹介しましょう。
第１回：（レクチャー）まちづくりの事例紹介(海士町、下川町)
バックキャスティングでビジョンをつくるやり方
（ワーク） 30年後の南小国町のありたい姿を描く
町民への聞き取り調査スタート
第２回：（レクチャー）SDGsとは
（ワーク）SDGsを通して南小国町について考える
第３回：（レクチャー）地域経済循環の見える化について
システム思考入門
（ワーク）町の状況をループ図にしてみる
先進地域視察：北海道下川町に現地視察(２泊３日)
共有ビジョン策定を経験した下川町の策定委員と苦労した点や工夫
意見交換することで今後の会議に活かすことが目的。
ことで刺激を受けるともに、
とも期待して実施。
第４回：（レクチャー）
（ワーク） 南小国町らしさを考える
第５回：（ワーク）
町民聞き取り調査で得られた意見をSDGs17ゴールに分類
SDGsを広く町民に知ってもらうためのアイデア出し
第６回：（レクチャー）エネルギーの世界と日本の潮流
（ワーク） エネルギーの視点から町を考える
共有ビジョンの文案作成
第７回：（ワーク） ビジョンに含まれる要素のカテゴリー分け
ビジョンの文案作成
第８回：（ワーク）町民の声、SDGsの枠組み、
有ビジョンの最終仕上げ
（パブリックコメント実施）
第９回：（ワーク）パブリックコメントの検討、
第10回：町長への手交式、共有ビジョン発表会
以上が10回の流れです。
の基本精神である「だれひとり取り残さない」
つくるか、でした。
町の人口は約4300人です。
ら選ばれた委員とはいえ、26人だけでつくったビジョンは「
えるのか？ 他方、
ん。
そこで、今回は「どうやったら、
員と一緒に考え、手分けして、
ました。
その結果、4300人の町で、
んからお年寄りまで入れて、
でつくるよりはずっと「共有ビジョン」
また、どうやって、
大事です。そこで、
て、毎回の議論の内容をビジュアルで模造紙に記録し、
までの議論の経緯が見えるようにしました。
そうすることで、委員が前回の議論を思い出して、
けでなく、新しい委員が参加しても、
「戻ってしまう」事態も避けることができます。
来年度は、
お手伝いしていく予定です。
また、南小国町ではこの1年、共有ビジョンづくりと並んで、
作成も進めました。きちんと結果が出、
産業連関表は、地域の経済状況を見える化するものです。
町の経済規模、各産業の占める割合、外貨獲得額・産業や、
など、実に多くのことがわかりました。地元の方からは「
はなく、数値に基づいた議論ができるようになるのでうれしい」
いただき、
来年度は、これらの情報をもとに、地域経済の「漏れ」
らに詳しく調べる必要があるか、
実際の取り組みを進めていきます。
南小国町の共有ビジョンづくりと産業連関表作成について、
ムでさらに詳しく実際のところを、町長、行政職員、
けます。
3月16日のフォーラムでは、南小国町のほかに、島根県海士町、
地域経済への取り組みを発表してもらいますが、素敵なことに、
職員だけではなく、
立場からの感想やコメントなどもぜひ聞いてください。
からの話がいっぺんに（しかも3町！）
すでに100名を超える方から参加お申し込みをいただいています
借りていますので、まだ席はあります。また、
には動画受講のオプションもあります。ぜひご一緒に！
＜3月16日 地域経済循環フォーラム＞
http://ptix.at/7oHQdJ
■日 時：2019年３月16日（土）13:00～17:00（12:
■会 場：大学院大学至善館
東京都中央区日本橋二丁目５番１号 日本橋高島屋三井ビルディング17階
■講師・ファシリテーター：枝廣淳子（幸せ経済社会研究所所長、
■パネリスト所属：北海道下川町／島根県海士町／熊本県南小国町
■プログラム（予定）：
13:00-13:10 開会の挨拶
13:10-13:55 講演「地元経済を創りなおす～その考え方と手法」
枝廣淳子
13:55-15:10 地域の取り組み紹介
島根県海士町／熊本県南小国町／北海道下川町
15:10-15:25 休憩
15:25-16:55 パネルディスカッション
「人も経済も資源も循環する、持続可能で幸せな地域をつくる」
パネリスト：熊本県南小国町／北海道下川町／島根県海士町
コーディネータ：枝廣淳子
16:55-17:00 閉会の挨拶
（17:00-17:30 交流タイム）
■定員：約200名
■資料代：1,000円(税込)
■詳細・お申し込み： http://ptix.at/7oHQdJ
■主催：幸せ経済社会研究所（有限会社イーズ内）
■会場協力：大学院大学至善館
■お問い合わせ
幸せ経済社会研究所 (有限会社イーズ内)
担当：久米、田辺
代表E-mail: Inquiry@ishes.org
Tel:03-5846-9841 Fax:03-5846-9665
******************************
「幸せ経済社会研究所」～幸せと経済と社会との関係を見つめ直す
http://www.ishes.org/
