枝廣淳子さんのメールから
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Enviro-News from Junko Edahiro
No. 2671 (2019.01.14)
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昨年は4冊の本を出版することができました。
のがたまたま近いタイミングで刊行されたのです。
『アニマルウェルフェアとは何か――倫理的消費と食の安全』(
(枝廣 淳子/岩波ブックレット)
https://amzn.to/2mWrWqg
本ブックレットでは、私たちにお肉や卵、
たちがどのように飼われているのか、
ます。ブックレットでも強調していますが、来年の東京五輪・
向けて、
このブックレットから、
~~~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~
二〇一七年二月一日現在の畜産統計によると、
四万六〇〇〇頭で、そのうち、
る肥育豚が約七七九万七〇〇〇頭、
るメス豚が約八三万九〇〇〇頭である。
これらの母豚たちの多くは、「
生のほとんどの期間を過ごす。六〇~七〇cm×二~二・
とほぼ同じ大きさの鉄の檻(「妊娠ストール」とよばれる)
目の前に餌槽と飲水器が備えられ、後ろ半分の床はスノコ構造で、
行わせるために、
妊娠ストールは、母豚の管理(受胎・流産の確認・給餌制限、
容易であるという、
にとっては、
イレも就寝も同じ場所で、
である。
畜産技術協会が全国の豚飼養農家(一〇〇〇軒)を対象に行った「
アンケート調査報告書」(二〇一五年三月)によると、
%がストールを使用している。
~~~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~
そういう現実を知らなかった!
では世界では?
「食用豚の飼養に関する世界の動向を見てみよう。
EUやスイス、米国の一〇州、
で禁止されている」(同ブックレットより)。
日本でもそういう方向に向かってほしいと強く願っています。
そして、まだ少数ですが、日本でも妊娠ストールなど使わず、
できるような環境で豚を育てているところもあります。
に作ってくれた幸せ経済社会研究所の新津研究員が実際に見学・
くれた素敵な取り組みを紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~
「耕作放棄地で豚を放牧する」取り組みを紹介しましょう。
起こす習性があります。雑食なので、土の中の昆虫はもちろん、
す。つまり、耕作放棄地で豚を放牧すると、
草むしりをして、開墾までしてくれるのです!
現場を是非拝見したいと、9月の上旬、福島県喜多方市山都町で、
り組む長谷川浩さんのところへ、見学に伺いました。
めたのは昨年から。昨年は、
アールの耕作放棄地に、
たときには3頭いました)。
豚たちは好奇心旺盛、鼻で地面を掘りながらも、
こちらへ近づいてきます。そして、しばらくすると、
め、草むらの中に姿を消していきました。普段は、寝たり、
間が長く、遊ぶ光景を見ることはあまりないそうですが、
天気だったので、特別だったのかもしれません。
草むらに走り去る豚たちを眺めながら、
思っていると、「いやあ、
と広すぎちゃって」と長谷川さん。この土地が畑に戻るのは、
までお預けです。耕作地に戻った後は、ヒマワリ、大麦・小麦、
豆などを輪作し、牧歌的な景観をつくっていく予定だそうです。
豚の餌としては、土中のミミズや草の他に、くず米、古糠、
そうです。敷地には電柵(電源はソーラー発電)がはられていて、
走できない仕組みです。豚を飼うこと自体は、
くなく、子豚の入手そして、と畜場と販路の確保ができれば、
ろうとのことでした。この点で、Iターンや、
この地域は雪深いため、豚を放牧できるのは、
アニマルウェルフェアという点では、
が多く、殺されてしまう事があるのに対して、
また、農家さんにとっては、豚の場合、
採算性を考えても鶏卵よりもよいのだそうです。
長谷川さんたちの取り組みがユニークなのは、販路として「
をとっていることです。長谷川さんの場合、
オーナーには2kgの精肉が届く仕組みです(
養豚」を行っている浅見彰宏さんが、
米国では数人で一頭の牛のオーナーになり、精肉後に、
みがあると聞いたことがあります。その時は「
から、可能なのだろうな」と思ったのですが、
な冷蔵庫しかない日本の家庭でも、参加することが可能です。
のびと育った豚の肉は、食の安全という視点からも、安心です。
パーで売られているものとは比べ物にならないほどおいしいとのこ
耕作放棄地を耕作地に戻し、農家には収入、
らし、そしてなにより、豚が幸せに暮らせるこの取り組み、
広がりそうです。
(新津尚子)
~~~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~
新津さんはそのあと、実際にここの豚主オーナーになり、
会社のスタッフが集まる会に持ってきてくれました。
ながらおいしくいただきました。
ちなみに、豚主オーナー制度にご興味のある方がいらしたら、
い、とのことです。
長谷川浩さん
yuki_gakkai@me.com
このような人間も豚さんも顔の見える関係でのつながりが増えてい
大量に豚肉を生産している農場の従来型の飼育方法が変わっていく
います。
よろしければ、日本の現状と世界の動向をぜひご覧ください。
『アニマルウェルフェアとは何か――倫理的消費と食の安全』(
(枝廣 淳子/岩波ブックレット)
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「幸せ経済社会研究所」~幸せと経済と社会との関係を見つめ直す
http://www.ishes.org/