枝廣淳子さんのメールから
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Enviro-News from Junko Edahiro
No. 2643 (2018.08.08)
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『アニマルウェルフェアとは何か――倫理的消費と食の安全』(
(枝廣 淳子/岩波ブックレット)
https://amzn.to/2mWrWqg
本日刊行され、書店にも並びました!
「おわりに」から、一部を引用します。
~~~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~
「アニマルウェルフェアの波が来てますよ! ほんとにね、すごく強く」――
2018年5月、取材で訪れていたスウェーデン・
の市場シェアを誇る流通小売大手・アックスフード社の環境・
当部長の女性が力強く言った。
「牛肉の消費量は少しずつ減っていて、
年に40%の勢いで売上が伸びてます。豆腐をはじめ、
質の食材が登場していて、お肉の代わりに購入されています。
肉の生産は温室効果ガスを大量に排出することが知られているので
意識と、あとは、健康意識ですね」。
「特に若い女性のベジタリアン率は高いですよ。
のは『どういう音楽を聴いているか』だったけど、今では『
イデンティティになっています。
『フレキシタリアン』って聞いたことあります? フレキシブルという単語を使っ
た造語です。厳密なベジタリアンではないけれど、
がよいと思って、お肉をめったに食べない、という人たちです。
赤身の肉は食べないけど鶏肉は食べるとか。すごく増えています。
肉食に関しては、特に女性が気にしていますね。
若者に影響力のあるユーチューバーがそういうメッセージを出して
だから、15歳の女の子が『お肉は食べたくない』と言い出す。
レキシタリアンになっていく。
いるんですよ」
(中略)
「スウェーデンの人たちは、
が多いのよ。
いるから」――取材後に、自宅の近くのスーパー(
に買い物に寄ったとき、
が教えてくれた。スウェーデン在住歴40年の高見さんは、
本とスウェーデンをつなぐ大事な役割を果たしておられる。
「
さんのお肉のパッケージに『スウェーデン産』
がウリになるのよ」。たしかに、「スウェーデン産」
ン人の友人アランも「値段が倍だったとしても、
産を買う」と言っていたなあ。
「卵は? 私、アニマルウェルフェアの勉強をしてから、
タリーケージ以外の卵を見つけるのが難しくて、
けど」と聞くと、卵の棚に連れて行ってくれた。
「どれもケージフリーよ。スウェーデンでは、
育したの。かつては、バタリーケージが普通だったからね。
ケージで飼われている鶏と、
るよう、写真で示してね、消費者に卵を選ばせたの。そして、
差もなくしたのよ。
(中略)
スウェーデンの国営テレビでは、
物たちがどんなにひどい飼われ方をしているかという番組をよく流
人々は意識して選ぶようになっている。
けて消費者の意識を変え、
好循環が生まれて、状況は大きく変わっていったの」
企業の担当者の話からも、スーパーの店先でも、
デンがアニマルウェルフェアの観点を大事にし、
していることが強く伝わってくる。
「それに引き換え、日本の現状はあまりにも遅れている……」
高見さんはこう言った。
「スウェーデンだって、最初からそうだったわけじゃないのよ。
状況を大きく変えた女性がいるの」(後略)
~~~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~
その女性とは? きっとあなたも知っているこの女性がスウェーデンの取り組み
を大きく進めたのです。つづきは、本書にて!
2年前に米国オレゴン州にエシカル消費の取材に行って、
ウェルフェアの意識の高さと取り組みの進み具合にショックを受け
でも日本の状況を改善すべく、日本の現状を調査したり、
について書いたり、
たりしてきました。
専門家ではない、
りするきっかけを提供したいと執筆したのが、
私たちが食べている卵やお肉がどうやって作られているのか、
てきたのか、日本の遅れている現状も含め、
『アニマルウェルフェアとは何か――倫理的消費と食の安全』(
(枝廣 淳子/岩波ブックレット)
https://amzn.to/2mWrWqg
このブックレットの刊行にあわせて、
会のありかたを探る」コーナーに、
た。
https://www.ishes.org/society/
~~~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~
アニマルウェルフェア
https://www.ishes.org/society/
アニマルウェルフェアは「動物たちは生まれてから死ぬまで、
動をとることができ、幸福(well-being)
を背景として欧米で誕生しました。「動物福祉」
最近ではカタカナのまま使われることが増えています。
例えば、日本では、ほとんどの採卵鶏(
「バタリーケージ」
まま一生を過ごします。また、
トールとよばれる檻の中で身動きが取れない状態に置かれています
アニマルウェルフェアは、こうした近代畜産の現場で、
近い形で飼育しよう、という取り組みです。
みを感じます。家畜が食肉として私たちの食卓に上がるまで、
苦しみを減らすことは、
また、生産効率を最大化しようとする過密飼育では、
生物質などが投与され、人間の健康への影響の心配もあります。
アニマルウェルフェアへの取り組みが進んでいる欧米などでは、
や妊娠ストールを禁止している国も増えており、
い形で飼育された卵や肉を選んで買えるようになっています。
日本は欧米と比べると取り組みが遅れているのが現状で、
ク・
準は、
それでも、日本でも少しずつ関心を持つ人々が増えてきました。
アに対する消費者の意識や関心が高まり、
などを提供する農家や企業が増えていくことを願っています。
<参考資料>
岩波書店『世界』no.896 2017年6月号「私たちの食べている卵と肉はどのよう
につくられているか―世界からおくれをとる日本」(前編)
https://www.es-inc.jp/library/
岩波書店『世界』no.896 2017年6月号「私たちの食べている卵と肉はどのよう
につくられているか―世界からおくれをとる日本」(後編)
https://www.es-inc.jp/library/
9割の人が知らない「アニマルウェルフェア」 ~消費者の意識と行動が企業の
動物福祉の取り組みを変える~
https://www.ishes.org/news/
『アニマルウェルフェアとは何か――倫理的消費と食の安全』
(枝廣 淳子/岩波ブックレット)
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「幸せ経済社会研究所」~幸せと経済と社会との関係を見つめ直す
http://www.ishes.org/