自然医学研究会のメールから


━■健康談話■━

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 森下敬一
『食べもの健康法』から引用

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森下敬一 『食べもの健康法』

●たけのこ

春のスタミナ食品の筆頭は、たけのこである。
最もよく利用されているのは、孟宗竹のたけのこであるが、
この竹は、わずか1ヶ月足らずで直径20センチ、高さ15メー
トルほどにものびる。
このものすごい成長力を秘めているのだから、たけのこに
バイタリティがあふれているのも、不思議な話しではない。

たけのこを食べるとニキビや吹き出ものができると昔から
言われているのも、それほど精力がつくということのたと
えなのだ。

ナマのまま細かく刻んで、一晩塩付けにしておいたものを
三杯酢で食べるのが最高のスタミナ食、という人もいるけ
れど、それほど凝る必要もあるまい。
たけのこ飯、わかめとの炊き合わせ、イカとの木の芽和え
などにして、ごく普通の食べ方をすればよい。

たけのこには利尿作用もあり、腎臓強化に役立つ。
腎臓の働きが活発になると、全身の細胞が働いた結果とし
て生じる老廃物や、体内にある余計な水分は速やかに排泄
されるから、血液はどんどんきれいになっていく。
血液がきれいになると、内蔵機能は強化され、基礎体力は
大いに増強される。同時に体が引きしまるから、肥満解消
にも有効だ。

また、タンをとかす作用もあるからタンのからみやすい人は、
たけのこを少量ずつ続けて食べるとよい。

たけのこの繊維は、腸の蠕動を促進して便秘の解消に卓効を
あらわす。便通がよくなり、腸の機能がよくなるとビタミン
の吸収や合成がスムーズに行われるから、脚気にも有効だ。

その繊維は、たけのこの身上である独特の歯切れのよさを生
み出している。食通で知られる中国の詩人は、

「たけのこがなければ、一日たりとも過ごせない」

と謳(うた)っている。

京都の料理が発達した一つの理由は、嵯峨野の孟宗竹のたけ
のこをふんだんに利用できたからだ、といわれている。
その孟宗竹というのは、母親のために雪の中にたけのこを探
した孝行息子。孟宗の名前を記念してつけられたもので、
冬たけのこは絶品だといわれている。
まあ、それを入手するのは無理としても、早春、地面から顔
を出さないうちに掘りとってから、なるべく時間のたってい
ないものを用いたい。柔らかい上にえぐみも少ないからだ。
 えぐみは、カルシウムを沈着させて結石を作りやすいので、
十分にアク抜きをすることが大切。

皮をつけたままで、皮に一本深い切り目を入れ、米糠をたっ
ぷり加えた熱湯の中で十分にゆで、そのまま冷めるまでおい
てから、皮をむいて使用すればよい。最近は、保存法が工夫
されて、一年中たけのこが食べられるが、自然で新鮮なたけ
のこの風味と薬効は格別のものである。

    (了)