アールブリュットのメールから

1.アール・ブリュットネットワーク情報
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「400字に込めるアール・ブリュットへの思い」

アール・ブリュットネットワークの企画に
携わっている方々のリレーエッセイをお届けします。
今回は社会福祉法人グロー 企画事業部文化芸術推進課長
西川 賢司さんです。

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障害者の舞台芸術をフランスから世界に発信「2018ジャポン×フランスプロジェク卜」
先月末にフランスのパリとナントの二都市で開催した、日本の障害者の舞台芸術公演が大盛況の内に幕を閉じた。
ナント公演は、2017年の開催した「2017ジャパン×ナントプロジェクト」の共催者であるフランス国立現代芸術センター“リュー・ユニック”のパトリック・ギゲール館長の再演要請、パリ公演は「アール・ブリュットジャポネ2」の開催館であるパリ市立アル・サン・ピエール美術館のマルティーヌ館長の呼びかけを契機に実現した。
文化庁と障害者の文化芸術国際交流事業実行委員会が本公演を主催し、また、独立行政法人国際交流基金の共催により、日本の文化の魅力をフランスで大々的に紹介する複合型文化芸術イベント「ジャポニスム2018」の公式企画として位置づけられた。フランス両館との共同制作のもと、2都市4公演で約1500人の聴衆を魅了した。
ナント、“リュー・ユニック”の公演では、障害者によるプロの和太鼓集団「瑞宝太鼓」(長崎県が単独で2公演を実施、“パリ日本文化会館”の公演では、瑞宝太鼓に加え、コンテンポラリーダンスの「湖南ダンスカンパニー」(滋賀県)、車いすダンスグループの「ジェネシスオブエン夕ーテイメント」(大阪府が2公演を実施した。
全ての公演において、満席の会場に沸きあがった鳴りやまぬ拍手と足踏み、そしてスタンディングオベーション聴衆の心を揺さぶる全てのパフォーマンスが巻き起こした称賛と歓喜の渦は、公演の大成功を物語ったといえる。
パリ公演を鑑賞された駐フランス日本国大使館の木寺特命全権大使からは、「『ジャポニスム2018 響きあう魂』のおおとりに相応しい素晴らしい公演となった」と称賛いただいた。
木寺大使のツイッター https://twitter.com/AmbMasatoKitera
在フランス日本国大使館のツイッター https://twitter.com/ambjaponfr

また、同じく同公演を鑑賞された、フランス政府のMuriel Penicaud労働大臣は、「信じられないくらいの熱気、とてつもないエネルギーを感じました。みなさんプロフェッショナルで、素晴らしいプログラムでした。フランスにおいて、日本の表現活動を分かち合うことができたことに感謝します。」とコメントされ、「Formidable」という最上級の言葉、素晴らしいでは表せない、とても興奮したということを表す言葉を何度も発されていた。
保存のできない舞台芸術の感動を言葉でお伝えすることはなかなか難しいが、そのことを解決することも、障害者の舞台芸術を発展させるためにとても大切なことであると思う。
今回のパフォーマンスが、何故「Formidable」という最上級の言葉を引き出したのか、多くのみなさんにこれから伝えていきたい。

企画委員 西川賢司(障害者の文化芸術国際交流事業実行委員会 事務局 社会福祉法人グロー(GLOW)企画事業部 文化芸術推進課長)