枝廣淳子さんのメールから
Enviro-News from Junko Edahiro
No. 2678 (2019.03.03)
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この1年ほど、プラスチックごみの問題が大きな注目を集め、
さまざまな取り組みが進められるようになりました。
ちょうどいまプラスチックごみ問題をテーマに岩波ブックレットを
春から初夏にかけて出版される予定なので、
日本では、
ます。分別回収している自治体もあれば、
んの地域ではどうですか? 日本全体では、全市町村の約75%(人口でいえば約
83%をカバー)
通常の容器包装プラスチックだけではなく、ハンガー、歯ブラシ、
当箱、バケツ、カセットテープ、ペン、クリアファイル、CD・
手袋といった製品プラスチックも含め、
そのリサイクルに貢献している町があります。
その町、徳島県の上勝町は、葉っぱビジネスで有名な町ですが、「
やさない」と日本で初めてゼロ・ウェイスト宣言を行い、
かな分別(なんと45分別!)をして、
昨年末に講演に呼んでいただいた折に、
だき、本当に素晴らしい取り組みだなあ!と思いました。
界にも伝えたいと、幸せ経済社会研究所の英語ニュースレターや、
知の融合研究所のウェブサイトでも紹介したい!
~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~
ゼロ・ウェイストタウンの実現をめざして
~徳島県上勝町のチャレンジ
四国地方の徳島県中部にある人口1,500人ほどの小さな町、
月19日に日本初の「ゼロ・ウェイスト宣言」を行い、
んでいます。
<ゼロ・ウェイスト宣言>
未来の子どもたちにきれいな空気やおいしい水、
2020年までに上勝町のごみをゼロにすることを決意し、
ウェイスト)を宣言します。
1.地球を汚さない人づくりに努めます。
2.ごみの再利用・再資源化を進め、2020年までに焼却・
最善の努力をします。
3.地球環境をよくするため世界中に多くの仲間をつくります!
上勝町には、ゼロ・
人を超える視察者が国内外から訪れます。なぜ、
やってくるのでしょうか? それは、世界中で重要視されている、ごみ問題解決
の糸口となる取り組みが、ここで行われているからです。
○リサイクル率の向上
上勝町の取り組みは、ゼロ・
イクル率向上に本格的に取り組み始めたのは、「
した1994年。
当時、最も多く排出されていたごみは「生ごみ」で、
した。まずは生ごみを減らすことから始めようと、
けて家庭用生ごみ処理機の購入補助制度を導入、
各家庭で処理されるようになりました。
次に取り組んだのは、資源再生の流れを作ること。
法が制定されたことがきっかけでした。上勝町では、
ルしてくれる業者を職員が探し、分別回収を9品目からスタート。
なリサイクル業者を探す努力は続けており、
類の分別に増えています。
分別したごみは、
ごみがどの分別に当てはまるか迷う時などは、
れます。スタッフとの会話や、
ありません。
リサイクルによる有価資源売却の収入は年間250~
削減につながっています。分別ごとのボックスには、
際の単価が記載されていて、
きる仕組みです。このような工夫もあって、
の暮らしに根付いていきました。
○リサイクルからリユース・リデュースへ
上勝町における一般廃棄物のリサイクル率は、
を大きく上回る81%に達しました。ここから更に前に進み、「
を実現するには、リユース・リデュースが必要」と、
NPO法人ゼロ・ウェイストアカデミーです。
ウェイストの理念に基づいた活動を、
徹底してリサイクルを進めることで、リサイクル率は81%
ここからリサイクル率を更に上げることは困難です。なぜなら、
とんどはリサイクル技術が未発達だったり、
ては実施が難しく、焼却処分せざるをえないものだからです。
めているのが紙おむつでした。
ゼロ・ウェイストアカデミーが企画とコーディネートを行い、
から、1歳未満の乳児がいる家庭に「布おむつスターターキット」
始めました。
は洗濯すれば繰り返し使えます。
紙おむつを布おむつに切り替えるためには費用がかかりますが、
のが、先に述べたリサイクルによる有価資源売却の収入です。
取り組みで生み出された資金は、こうして新たに「
組みに活かされています。
不用品の持ち込み、無料での持ち帰りができる「
ごみの削減に貢献しています。持ち込みは町民に限られますが、
の人もOK。年間約15トンの資源が、「くるくるショップ」
た人の手から使いたい人の手へと渡されていきます。
ユニークな取り組みとして、「ゼロ・ウェイスト・ウエディング」
トを行った例もあります。使い捨て食器を使わないための「
ンタル、回収拠点の運営、資源の分別指導、
を実施。200人以上の来客がありましたが、
数品のみでした。
○人づくり・仲間づくり
ここまでご紹介した取り組みは、
のでしたが、それだけでゼロ・
発生するごみをなくすだけでなく、
なければなりません。
そのためには、
可能性がある「もの」
をどう実践していくかは大きな課題です。
ゼロ・
イスト認証制度」は、
す。
各事業所は、
‐従業員がゼロ・ウェイストの研修を受けていること
‐自治体の制度に則り、適切な分別・
‐ゼロ・ウェイスト活動に目標を設定して計画的に取り組むこと
以上3つの条件をクリアしたうえで、
◇LOCAL FOOD
地域の食材を活用し、地産地消に努め、
例)地元農家から直接仕入れを行うことで、
◇RETURNABLE
食材や資材の調達において、ごみの発生抑制に取り組んでいる
例)仕入れの際にマイコンテナやクーラーボックス等を持参し、
を削減している
◇IDEA
おしぼり等の無料サービスにおいて、
例)おしぼりはリユース、
ど使い捨て製品を使わない
◇OPEN for ACTION
利用者がごみの削減あるいは分別に取り組める工夫をしている
例)顧客へゼロ・ウェイストに取り組んでいることを情報発信し、
掛けを設けている
◇BYO(Bring Your Own)
利用者が食器や容器ごみなどの代用品を持ち込むことで、
る仕組みを導入・周知している
例)マイボトルを持参すれば割引があり、
アウトできる
◇LOCAL REUSE
再利用を通じ、地域内のごみの発生抑制・
例)
用し、店舗に活かしている
2019年2月時点で、上勝町内の7店舗に加え、長崎県、
でもこの認証を取得しており、町外への広がりも出てきています。
を変えることで生産者への影響もありますし、
るお客さんの意識・行動を変えていく効果も期待できます。
がいろいろな地域に増えることでゼロ・
いくよう、認証店舗は随時募集中です。
町民の暮らしにゼロ・ウェイストへの行動を根付かせるとともに、
者を巻き込み、ゼロ・
する上勝町の取り組みは、一歩ずつ着実に進み続けています。
開が待っているのか、上勝町のチャレンジから目が離せません。
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【参考資料】
ゼロ・ウェイストアカデミー
http://zwa.jp/
「ゼロ・ウェイスト認証制度」開始と項目公開のお知らせ
http://blog.zwa.jp/?eid=1189
「平成28年度一般廃棄物実態調査」環境省
http://www.env.go.jp/recycle/
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「幸せ経済社会研究所」~幸せと経済と社会との関係を見つめ直す
http://www.ishes.org/