枝廣淳子さんのメールから
さて、少し前に、「
マに、SDGsの普及・
だきました。許可をいただき、
今回の対談は、長野県の南に位置する、伊那里地域(宮田村・
・中川村)で活動する まちづくりNPOである、伊那里イーラさんからお声がけい
ただき、実現しました。
グラムを進めています。
川廷さんからは南三陸の事例、私からは北海道の下川町、
ど、たっぷり話をしていますので、ぜひご覧ください!
内容は下記サイトやデジタルブックでもご覧いただけます。
【伊那里イーラ ボランティアガイドブック】
http://www.gqrakuen.net/e_
ちなみに、以下の私のプロフィールは、
この3月末をもって都市大を卒業しました。今年の8月から、
持続可能性とシステム思考などの授業と、社会起業・
予定です。
http://shizenkan.ac.jp/
~~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~
伊那里イーラの都市交流プログラムは、農作業や環境教育、食育、
はじめ、
す。
このプログラムに参加するのは、主に都市企業の社員の方々で、
や環境・CSRの一環として活用されています。運営は、
行っており、
りができると評判です。
今回は、こうした農村と都市企業との共生について、
らどう見えるのか、
に携わった博報堂の川廷昌弘さんと、
枝廣淳子さんに語っていただきました。地域、
sとのつながりを考えるのか、
SDGs(※)とは
2015年9月に国連で全会一致で採択された「
(SustainableDevelopment Goals=SDGs)」。ミレニアム開発目標(MDGs)の後
継で、17の目標と169のターゲットから成りたち、
■プロフィール
川廷昌弘
博報堂広報室CSRグループ推進担当部長
1986年博報堂入社。2005年より環境省「チーム・
ミュニケーション領域に専従。2010年「
で「教育とコミュニケーション」
取り組む。グローバル・コンパクトネットワーク・ジャパン SDGタスクフォース
・リーダー、
枝廣淳子
東京都市大学教授、幸せ経済社会研究所所長
『不都合な真実』(アル・ゴア氏著)の翻訳をはじめ、環境・
執筆、コンサルティングや異業種勉強会等の活動を通じて、
い経済や社会のあり方、幸福度、レジリエンス(しなやかな強さ)
の考え方や事例を研究。
リテーターも数多く務める。
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■SDGsは幸せな社会や地域を作るために必要な目標
川廷:「国連が採択した目標」と聞くと、
自分にはあまり関わりがないと思うかもしれません。でも、
いう国も、「グローバル」という国も存在しませんよね。「
いうのは、一つ一つの課題を突き詰めると、実は、
で起こっている様々な課題とつながっている。
でいます。それを人類の共通ビジョンとして、
トに整理したのがSDGsです。
枝廣:私は、SDGsについては「持続可能で幸せな地域」や「
くるための考える枠組み」と説明しています。
ものの、
解決に導くものだと思います。
ろうと思ったら、濃淡はあっても目標は必要です。もちろん、
すべてに取り組む必要はありません。ただ、
確認するチェックリストとして使ってもらえたら、と思います。
川廷:CSRや経営企画に携わっている企業の方から、「
係があるのですか?」とよく聞かれます。その時には、
ガイドラインであり、同じくチェックリストでもある、
は目の前の課題をやらなければいけないことが多かったと思います
先課題と言われるSDGsの17の目標ができたことで、
あるのかをチェックし、改善策に生かすことができます。
枝廣:また、企業にとってはESG投資(環境・社会・
企業に投資すること)
資は今や世界全体の3割以上、
まだ1%ですが、 GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の動きもあり、日
本も大きくESG投資に舵を切りました。
が使われているので、
SDGsでおもしろい取り組みをしているオランダのDSMという
う。
部の社長が変わったことがきっかけでSDGsに取り組み始めたの
気度が高いんです。
例えば、
自体をやめさせられますし、
ンズのサステナビリティ・インデックスやGHG(温室効果ガス)
の環境指標に連動させるなど、
トップもボーナスやインセンティブも変えたらやっぱり会社の意識
よね。
川廷:素敵ですね。圧倒的に意識が変わりますよね。グローバル・
ネットワーク・ジャパンのSDGsタスクフォースも関わって、
ついてのアンケート調査を2017年度に実施し、
職は5%程度という結果でした。
なく、自社の社員に伝えていかないと、
の売上に走ってしまいます。担当役員から「
がっているね」という助言がもらえたら、
ね。
枝廣:日本の企業はボトムアップばかりが多く、
消えてしまっているんですよね。
川廷:SDGs推進に向けた企業の取り組みは、
期待されている分、日本企業は、
いきたいですね。
■日本特有の課題にも、SDGsは活用できる
枝廣:次に、地域と都市の関わりについて考えてみましょう。
「住み続けられるまちづくりを」というのがあって、
市」について言っています。
ももちろん重要なのですが、一方で、
速に増えていくことを考えると、「地域」
ただ、世界では「地域」
の中でも意識が薄い気がします。ですので、
きは、「sustainable city」のところを「city」だけじゃなく、地域も都市と連
携が図れるような枠組みだと良いと思っているのですが、
のように考えていますか?
川廷:私が関わっている南三陸では、日本ではじめてASC認証、
を取得しました。今までは養殖の牡蠣の育て方は、
3年かけていっぱい育成していました。この方法では、
とっても労働環境や育成環境に課題が多く、
牡蠣を生産しなければなりません。
でも、3 11の津波で、すべて流されてしまったんです。
活の基盤がなくなってしまっているわけですから、極端にいえば、
トです。そんな中でまず牡蠣の漁師たちが、
くのか、議論を重ねた結果、「よし生産量を減らそう」
彼らはポイント制を導入し、年功序列ではなくて、
必要なところにちゃんと分配しよう、と意見がまとまりました。
枝廣:へー、すごいですねー!
川廷:ポイント制を導入したら、
それだけ減らせたら当然、持続可能な漁に変わってきて、
たわけです。
で3年かかって育てていたのが1年でぷりぷりの牡蠣ができたんで
どもたちと遊べる時間もでき、まさにディーセントワーク(
らしい仕事)の例ですね。
現場をみて感じています。
枝廣:うーん、説得力がありますね。
川廷:再スタートをきることができたのは、
たからですが、
結果、皆がやりがいを感じ、家族との時間ができる、
て街が若返りしているという循環につながっているんです。
根本治癒。これぞまさにSDGsです。
枝廣:
年からは北海道の下川町のお手伝いも始めています。
は、地域に経済をもう一回取り戻さないとだめだなと思います。
ちょうど、「地元経済を創りなおす」
市に住む人が、地域に移住しても仕事がないと、
地域にしっかりした経済が回っていることが重要だと思います。
までのような中央からお金を持ってくるような交付金や企業誘致で
循環せず、地域の外に資源(人・モノ・金)
調べたところ、
の面積の50%ほどになるんです。
対象地域を全部合わせても日本の人口の8%
面積で合わせると国土の48%にもなる。つまり、8%
てくれているわけです。もしその地域で、
たら、国土も守れないことになります。
たぶんSDGsを作った時にはこういう問題は全くなかったと思い
では、人口が増えて困る、という視点です。
世界で決めた17目標には抜けていて違うものを入れていかなけれ
例えば企業がSDGsを進めながら、
そういう枠組みができるといいなと思いますよね。
川廷:SDGsには169のターゲットがありますけど、
有の社会課題はいくつもありますよね。
業担当者としてSDGsの17の目標や169のターゲットと自社
てみると、しっくりくるものがないと思います」と言います。
ただ、
ないで自分たちのSDGsを作ればいいという話をしています。
170番目、171番目を自分たちで作ってみる。
の目標の中に入っていると思うので、それを「
と、
枝廣:例えば、日本ではまだ東京に人が集まってきているので、
番目の目標を作ることを考えてみましょう。
本のSDGsにとって非常に大事な目標を掲げたとすると、
けのお金を地域に戻したのかを測れれば、
標になるんじゃないでしょうか。
川廷:ボランティアとして社員が地域に関わっている活動を、
させるための企業の貢献として、
枝廣:下川町は、
ています。町民も一緒にこのプロセスに参加するため、「
ところから勉強を始めました。そして、「
て、それが海に流れ出て、その先に何が起こりうるのか」、
にある問題とSDGsにつなげて考えるようにしています。
また、こうした課題を考える時に役に立つ、
俯瞰する「システム思考」と、2030年から「
を描くという、二つの手法を使いながら、皆で進めています。
SDGsで何かやりたいということであれば、
つながりを上手に組み合わせていきたいですね。
■市民社会、企業、
上げることができる
川廷:SDGsは社会課題の視点でいろんな人とつながったり、
しはじめているので、
話したほうが、理解されやすい環境になりつつあると思います。
枝廣:そこで、目標17のパートナーシップ(
う)なんですが、
ますが、
自治体などいろいろなところとパートナーシップを組み、
大事なんですよね。
川廷:地域課題についての情報提供や、
て、企業はNGOの活躍を期待しています。
ときは、
ちにはこんなスキルがある、こんなフィールドがある」
うにしてください、とお話ししています。
にもNGOから積極的に企業に情報を提供していただきたいですね
枝廣:仰るとおりですね。
ど、両方とも企業研修を結構やっています。
人たちと一緒に町を歩いて、
る解決策を考えられる人を企業は養成したいんですね。
そのフィールドに社員を野に放てばできるかというとそうではなく
現地で何を学びとして持ち帰ってもらうかを地域の人とディスカッ
とで地域の人との理解が深まって、解決策も見えてくるし、
ルに問題解決能力が身につくんです。確かに地域やNGOは、
さいモードだったけど、、、
ちょっと対等に一緒にやっていくという感じが欲しいですよね。
川廷:
ます。
お互い補いあえるようにできればいいと思います。
枝廣:地域と都市交流の視点でお話ししてきましたけど、
世界と日本の問題解決につなげていくためにひとり一人がどんなこ
考えていくとよいと思いますか?
川廷:やはり「自分事」で考えることです。
した時にSDGsの認知度を広げ、理解を深めてもらうために、
169のターゲットが示していることも組み込み、
たとえば、目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」は、「それは大
事だよね」で、終わってしまうのではなく、「
どう?エネルギーはクリーン?」
AとB、2つの電力会社のうち、
だけど値段が高い。じゃあ、どちらを選ぶのか。
どちらのほうが自分は幸せなのかが、判断基準なんです。
で考える意識でSDGsの公式日本語版アイコンを見てほしいな、
身も、自分の中に選択肢が生まれ、
になりました。「自分事」で考え、選択できるようになることは、
せなんじゃないかな、と思います。
枝廣:これまでは単一の価値観である、経済合理性(
方が良い)だけのみんな同じ価値観だったけれど、
を選ぶとか、幸せにつながるという「違うモノサシ」
よね。
す。ありがとうございました。
~~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~
昨年2017年は、
に進んで、単に「我が社もSDGsに取り組んでいます」と、
ロゴをちりばめたりするだけでなく、「
「その先、どうするつもりなの?」
SDGsの取り組みを通して、
・インパクト)を測定する手法も登場しつつあります。
ために英国に行ってきましたので、