Trio ピンとこないので困りながら、アマゾンから引用。

 
LAW人
殿堂入りNO1レビュアーベスト500レビュアー

2015年1月24日

形式: CD
本アルバムは、リンダ、ドリー・パートン、エミルー・ハリスの3名に依る、いわゆる「コラボレーション・アルバム」で、1987年に「Warner Bros. Records」からリリースされている。この当時のリンダは「Asylum Records」であったが、ドリー・パートンが主として「RCA Nashville」であったことからすると妥協の産物であろうか。と言うのも本アルバムの第2弾で1999年リリースの『Trio II (Two)』(「Asylum Records」)では、フィーチャーされた10曲のうち、半数の5曲ーー「Lover's Return」、「High Sierra」、「After the Gold Rush」、「The Blue Train」、「Feels Like Home」ーーが、1995年リリースのリンダ独自のアルバム『Feels Like Home』(一部のバック・コーラスにエミルーが参加)からフィーチャーされているが、元々右5曲はリンダ、エミルー、ドリーの3人によりレコーディングされたものの、(各自の)発売レーベルの都合や利害対立等に依り、リンダが独自にリミックスして『Feels Like Home』をリリースしたという経緯(曰く付き)があるからである。余談はさておき、80年代のリンダは音楽的志向性に大きな変化が観られ、83年の『Get Closer』までのロック・ポップ・カントリー中心から、同年の『What's New』以降はジャズ、R&B、ブルース中心へと変わり、スペイン語版アルバムなどもリリースしているが、往時(80年以前)の勢いが弱くなった印象がある。そうした情況からの本アルバムのリリースは、久しぶりのリンダの存在感を示す評価を受けている。各ナンバーを観ると、ほぼカントリー・ソングまたはブルースと言って良く、3人のコーラスが上手く噛み合っている。リンダ自身をアピールするナンバーは多くはない。強いて挙げると、「Telling Me Lies」、「I've Had Enough」、「Farther Along」ではリンダがメイン、「Wildflowers」、「Those Memories Of You」ではドリーがメイン・ボーカルといった印象だろう。なお個人的は、リンダがアルバム『Prisoner in Disguise』(1975年)でカバーした、ドリー・パートンのオリジナル「I Will Always Love You」もフィーチャーしてほしかった気もする。